ベルサイユ製麺

ブルーム・オブ・イエスタディのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

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アウシュビッツの研究グループに在籍する男トト。優秀だが融通が利かない性格のため周囲との衝突が絶えず、遂には同グループの同僚を病院送りにしてしまう有様。グループのリーダーである老教授が急死し体制が変わる中、トトのフラストレーションを更に高める出来事が。研修生としてパリからやって来た女性ザジの世話係を命じられるのだが、この女がとんでもない。感情の抑えが効かずすぐ突っかかる。話に整合性が無くて事実誤認も多い。そのくせ自尊心はやたらに高く…etc
なんとも噛み合わないトトとザジだか、実は彼らは不思議な縁で結ばれていたのだった。
ドイツ映画。現代劇。

映画鑑賞史上最大のフラストレーションを味わってしまった。
ザジのキャラクターが余りにも不愉快。全身が強張って視野がどんどん細くなる…。怒りで鼓動が速くなり、頭も痛くなってくる。鑑賞中何度もザジをぶん殴りたくなったし、もしノートパソコンで見てたら投げ捨てていたかもしれない…。
なんかお話の流れの中で、ザジが自分をコントロール出来ないタイプの人物である事が明かされていくのですが、極論すれば、“自分の不愉快な気持ちは本物”で“映画の設定は作り物”です。物語は、なんとなく“巧妙に計算された不恰好なハッピーエンド”みたいな着地を見せますが、こっちの苛立ちや怒りはどうすれば晴れるのか…?なにより、不意に思い知らされた私のキャパシティの小ささに対する絶望感…。自分のことが惨めで許せない。

過去との折り合い、憎しみの連鎖を如何に断つか?といったテーマは大変興味深いのですが、ちょっと今はこれ以上この映画の事を考えたくないので、レビューはいきなり終わります。
鑑賞要注意。どうしても観たい方は、流行りのヤバい缶チューハイや、割ってもいいグラス、ベタマックなど、自分を守ってくれる物をご用意下さい。試練。