ダイ・ビューティフルの作品情報・感想・評価

ダイ・ビューティフル2016年製作の映画)

Die Beautiful

上映日:2017年07月22日

製作国:

上映時間:120分

3.8

あらすじ

ミスコンの女王、トリシャが急死した。家族から絶縁され、身寄りのない娘を育て上げ、ついにミスコン女王に輝いた末の突然の死だった。そんな彼女の遺言は、葬儀までの七日間の死化粧への注文だった。ビヨンセ、ジュリア・ロバーツ、レディ・ガガと。日替わりで海外セレブメイクを施され、トリシャと関わりのあった人々が葬儀に訪れ思い出を回想する。

「ダイ・ビューティフル」に投稿された感想・評価

小一郎

小一郎の感想・評価

4.0
仕事が忙しくなってきたせいもあり、最近また寝落ちするようになってきた。映画が始まってしばらくした後、10分から15分程度寝落ちするケースが多い模様。この映画もゲイのミスコンで女王となった直後の突然死や母娘の件がポッカリ抜けてしまった。

寝落ちすると“流れ”が切れるので、内容はつかめたとしても、物語の展開に自然さとか納得感が薄れてしまう。とはいえ、寝落ちも含めて自分的映画鑑賞と割り切って、適当な感想文を…。

と言い訳しつつ言うのも何ですが、本作はゲイの方の現実を笑いを交えしっかり描きつつ、実現困難な彼女たちの願いにも光を感じる物語だったかな。

ミスコン優勝直後に突然死したトランスジェンダーのトリシャ・エチェバリアの遺言は、葬儀までの7日間、日替わりでセレブメイクをして欲しいというもの。つまり女性として美しく終わりたい、と。

物語は死化粧のシーン(現在)と彼女の人生の一場面(過去)が交互に映し出される。基本コメディタッチだけれど、トリシャを決して女性と見ようとしない周囲の視線がリアルでシリアス。その中でも女性としての自分を肯定しよう、認めてもらおうと奮闘するトリシャにジーンとする、という感じかな。

遺言はトリシャ最後の奮闘であるとともに、死化粧をする親友バーブへのプレゼントでもあるのかなという気がする。トリシャの死化粧はひょんなことからSNSで拡散し、多くの人の注目を集める。しかし、その視線はこれまでトリシャに向けられたものとは少し違う印象を受ける。

セレブメイクの死化粧はまるで眠っているようにしか見えないインスタジェニックな雰囲気で、不謹慎という気持ちを脇に追いやって、ほーっと感心し、他の女性と同じように美しくありたい、愛されたいと願うトリシャ、ひいてはゲイの気持ちを理解せずにはいられない。

実際、カトリックの影響が強いフィリピンにおいて、本作の発表はカミングアウトを後押し、監督自身も驚くくらいフィリピン社会に大きな影響を与えたという。
(https://www.cinra.net/interview/201707-diebeautiful)

「虎は死して皮を留め、ゲイ(人)は死して美(名)を残す」(カッコ内が原文)って感じですかね。

●物語(50%×4.0):2.00
・可笑しくて、リアルな物語。

●演技、演出(30%×4.0):1.20
・主演のパオロ・バレステレスは本作の公開後にカミングアウト。エキストラのトランスジェンダー役の人たちも、ほぼ全員がゲイ。どうりで自然な演技。

●映像、音、音楽(20%×4.0):0.80
・色彩鮮やかで美しい。
くまA

くまAの感想・評価

4.5
感動ゲイフィリピーナ映画。
明るいオネエギャグ映画かと思いきや、真面目で心に刺さる作品だった。
西洋のドラァグ顔負けのお化粧や衣裳も見所。
性描写があるので万人にオススメはできないけれど、とても良い作品なので沢山の人に観てもらいたい。
エマ

エマの感想・評価

4.0
最近公開が増えてきた気がするフィリピン映画。東南アジアの雰囲気や気風って日本と全然違うんだけど、何かが同じ。親しみやすくて好きです。

己を偽らず生きるのって簡単な事じゃ無いけれど、美しい。
主人公トリシャ役のパオロ・バレステロス、実際にもなりきりメイクで有名な司会者らしいですが、甘いマスクでかなりのイケメン。作品内での女装姿は時々トリンドル玲奈に見えるくらい美人。
JTK

JTKの感想・評価

4.0
所謂オネエ映画(今日日はLGBTというらしいが)は傑作が多く「ヘドヴィグ・アンド・アングリーインチ」「プリシラ」「プルートで朝食を」「ぼくのバラ色の人生」等々数え上げたらキリがない。その多くが「アタシたち世間で白い目で見られてるけど、何さ、アタシらしく楽しく生きるのよ」と強がってみるものの変態として生まれた故の家族との軋轢やそれに伴う葛藤が描かれる。
この映画もその系譜から大きく外れたものではないが主人公トリシャの親友バーブスへの遺言「私が死んだら1週間日替わりで憧れのセレブ風死化粧をしてちょうだい」との願い通りオネエ仲間から弔われる、その設定がユニークというかエロスというかグッとくる切り口だった。
主人公トリシャの妖しい美しさとともに忘れられない映画になりそう。
初のフィリピン映画。
凄く良かった。
<ミス・ゲイ・フィリピーナ>というミスコンがあるんだね。
トランスジェンダーの中でも自分の美を磨いてきた男性たちが着飾って美を競う。
本作の主人公トリシャはミスコン女王になるため各地で催される大会へと参加していたが、突然の急死。
トリシャの友人たちは彼女の遺言に従って、海外セレブそっくりの死化粧を日替わりで施していく。

映画はトリシャの人生の様々な出来事の合間合間に、トリシャの葬儀を挟むような構成。
自分がトランスジェンダーでゲイであることのカミングアウトの辛い記憶であったり、気の合う友人や恋人との自由で満ち足りた暮らしであったり。
フィリピン映画は初めてだと思うが、いわゆるヒューマンドラマというジャンルにお国柄はほとんど出ないのだなあと思った。つまり良い映画でしたと。(一部、酷な性描写があるのでファミリー向けではないですが…)

トリシャ役の俳優はもちろん男性なのだけど、自身もゲイであるためか演技に嘘臭さがない。
心から女性としてトリシャを演じてる感じが伝わってきて、お笑い芸人がウケ狙いで女装した時のふざけた感じは(当たり前だけど)まったくないのが良かった。
後半はもうトリシャを完全に女性として見ていた。
ガタイが良くても、声が太くても、女性らしさは感じるし、むしろ女性以上に女性的に感じるところもある。
じゃあ、女性の女性性っていったいなんなの?男性の男性性ってなんなの?「性の別」って?なんてことを考えさせられた。



8/16 ダイ・ビューティフル @フォーラム仙台
ゆき

ゆきの感想・評価

4.6
🧡💛💜🌹💞
Manabe

Manabeの感想・評価

4.5
トランスジェンダーであることの偏見と差別に立ち向かった、トリシャの生き様が美しい。
あい

あいの感想・評価

3.9
20170908
化粧で美しくなるトリシャだけれど、美しいのは彼女の心でした。

このレビューはネタバレを含みます

盗んだ死体に7日間違う死化粧を施す
と書くとエキセントリックな内容に思える。しかし、実際は一人のニューハーフの半生と、その半生をいつも見守ってきた(決して罪悪感クソ野郎のことではない)彼女愛する親友たちが、彼女を死出に送り出すまでの物語だ。
奇抜な設定は、あくまでトリシャの生前の願いを尊重し、彼女の尊厳を守るために行われるものであり、彼女の性をめぐって仲違いしていた父親のような存在に理解を促すことを目的としているわけではない。
そのせいか、ラストはトリシャ=エチェバリアという無二の友人を失ったバーブスに感情移入して泣けてしまった。ニューハーフの世界、ミスコンの世界、目まぐるしく場面が変わりながら最後は静かな余韻を残す映画だった。
どんな人も他の人のことジャッジしたりあなどったりしたらあかん!
そしてそんなことには負けず思いやりをもって美しく生きたいものですな。

フィリピン時代の生活が蘇り、マニラに溢れるオカマさんたちも懐かしく感じた。フィリピンやったらここのシーンで爆笑やら野次やらスタンディングオベーション起こってるんやろなと想像しながらの楽しい鑑賞でした。
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