らんらん

自由学校のらんらんのレビュー・感想・評価

自由学校(1951年製作の映画)
4.5
ぬぼーっとした性格の佐分利信は会社であったり家庭であったり、果ては世の中にも嫌気がさして自由を求めるようになる
それを聞いた妻高峰三枝子は吹き出し笑い、そしてブチ切れこの甲斐性なし出てけ!となったところ、じゃさよならと散歩に出るように長いこと失踪してしまう、、、

タイトルに学校とかあるからお堅い感じを想像してたら、、、とんでもはっぷん!!w
特にすごいのが佐田啓二、相棒の淡島千景もだけど若者描写が凄まじい
淡島千景はまだそこまで違和感ない、けど佐田啓二は完璧キャラ崩壊でしょ!
今から見るとオネエキャラ、マニュキアまでしてるしとにかくフニャフニャしてるの、2人して妙ちくりんな英語を入り混ぜて話したり、なんか凄いもの見ちゃった感

この映画で衝撃の台詞「とんでもはっぷん」
かすかに聞いたことがあるようなないような死語、この作品から流行したらしいw
さらに言うとこの映画の影響で?「ゴールデンウィーク」って言葉が生まれたとか、、、与える影響の大きさが凄い作品ですね
こちらは松竹製作なんですが、大映でも同じの作ってて同週公開で競い合ったとかエピソードも見て、なんでそんなことに?凄い時代だなーって思う

以下他の出演者について
主演の佐分利信は自由をもとめてホームレス東野英治郎にお世話になり、橋の下で暮らしながら拾い屋をする日々
当初は自由を満喫するものの、小沢栄ら一味の犯罪に巻き込まれたり、後家さん望月優子が鬱陶しかったり、そこでもしがらみが出来ちゃって、、、みたいな
関係ないけど三浦友和がこんな感じの浮浪者役してたの思い出した

高峰三枝子もなかなか魅力の出ている作品
今で言うと鬼嫁、ガミガミと上から押さえつけてくる
ラスト佐分利信が帰って来た時も、こんなことしでかしたんだからあんたはこれから先ずっと奴隷!何でもいいなりにこなしなさい!的な高圧的な態度をとったら、また佐分利信が出て行こうとする
それを必死で追いかけ、足元にすがり涙ながらに行かないでってすがる姿
凄い良かった!ある意味ツンデレ?強烈なツンをかましたすぐあとに一転してこれはうまい!

あとはこの笠智衆もインパクトあった!あの笠智衆が肉体派の役なのw
過去に奥さんを男に取られたらしく、だったら自分も他人の奥さん取ってもいいはずだ!みたいなトンデモ理論で高峰三枝子を押し倒そうとする
逃げられるとブチ切れてテーブルは投げるわ家の中を壊しまくりの暴れまくり、笠智衆のこんな姿が見られたのも大収穫w

ちなみに調べたところ当時は松竹版大映版どちらも大ヒットしたらしいのだが、大映版のほうがお客さん動員したみたい
大映版も見てみたいなー特に京マチ子を!
でもこれより面白いなんてあまり思えないけど、、、佐田啓二のとんでもはっぷん、みんな何かとねえおばさま連呼の面白さ、これに勝てるとは思えないww
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