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台北ストーリーのmazdaのレビュー・感想・評価

台北ストーリー(1985年製作の映画)
3.1
『男は古いものが好き、女は新しいものが好き』と服の専門時代に講師が言っていたことを思い出した、まさにそんな映画。
男も女も好きになれなかったせいだろうか、期待値が高すぎたシリーズ。

少年時代の栄光にしがみついて新しい環境への一歩が踏み出せないうじうじくんな男との関係性がとにかくだめだった。幼馴染という形式美に囚われすぎじゃないか?女は前に進んでいるようにみせて過去におもむろに背を向けてでもなんで追ってこないの?みたいな感じで気になっちゃって結局全然進めてないけど、みたなやつ。
過去にすがる男も過去から逃れようとする女も、結局真っ正面で今の時代と向き合えていない。今を生きる彼等かっこいいぜって映画じゃないことなんて100も承知だけど、『20センチュリーウーマン』の今を生きまくってる20世紀の女達とはえらい違いだな。
古いものも新しいものも同じくらい良さがあるけど、今考えなければいけないことは今のことでしょう。理想と現実のギャップについていけなくっても容赦なく時代は進むからね。流行についていけてることがいいとは言わないけど、"過去を大切にする俺"に酔ってるようにしかみえなかった。

終始たんたんと進むこの空気や、部屋の下見で始まり、下見で終わるところもよかった。写真とかでしか見たことなかったでかすぎる眼鏡とかボリューミーな黒髪とか可愛かった。
最近だめなんだよな俺っていってた最後の選択こそが何よりもだめだったね。どうしようもないほどの空虚感。人生はタイミングが全て。
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