いちいち構図が美しい…
約一年前に「牯嶺街少年殺人事件」を観て衝撃が走り、それからエドワード・ヤン監督を知りました。
まるで初恋のように、あの時受けた衝撃はいつまでも余韻となって尾を引き、エドワード・ヤン監督作品をずっと気にしてたのですが、先日フォロワーさんのレビューを拝読させていただき、どうしても観たくなってしまいました。
ネット配信サービスでは見つからず、近所のTSUTAYAに唯一あったのがこの作品。手にした瞬間から期待ばかりが膨らみ続けます…
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台北という都会に立ち並ぶビル群。どれも似たり寄ったりで、それを誰が設計し、何の目的で建てられたかなんて、誰も知る由もありません。
それは人も同じで、ビルの上から眺める人の群れは、誰が何処に向かうかなんて、皆目見当がつかないものです。
しかし当然、人にはそれぞれ行き先もあれば物語だってあります。
すれ違っては繋がって、
こうして人は物語を作ります…
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ワンカット、ワンカットのレイアウトの美しさよ…
窓から射す陽射し
壁に映る影
この美しい構図とコントラストは、時に言葉よりも多くを語ります。
「牯嶺街少年殺人事件」の時もそうでしたが、この作品はほとんど映画音楽が使用されず、セリフによる状況説明も必要最小限に抑えられています。
それなのに、アジンとアリョンの微妙な心理を語り尽くすとはお見事。とつとつとしたストーリー展開と計算された綺麗な構図で見事に微妙な関係を表現しているのです。
僕が欲しかったのはこの感覚。
「牯嶺街少年殺人事件」で感じたあの感覚が、僕の中で蘇ってきます。
あー観たい、もっと観たい。
エドワード・ヤン監督作品をもっと観たい!
でも近所のTSUTAYAでは他の作品置いてないし…
うーん。とりあえず、もう一度「牯嶺街少年殺人事件」観てみます。