PANDANOIE

サーミの血のPANDANOIEのレビュー・感想・評価

サーミの血(2016年製作の映画)
4.7
とにかくすごくよかった…私は一年前にアイヌカルチャーが好きなスウェディッシュから初めてサーミ人の話を聞いて、民族衣装や生活の部分にすごく興味を持った。彼は本当にサーミは素敵だよ!みたいな事を言っていたので、この映画を観てスウェーデン人からのサーミ人への、差別の問題とか全然知らなかったわたしには、最初からとにかくショッキングだった。

ただ、差別がテーマの暗い映画なわけではなく。1人の少女の初恋や大人になりきれないティーンの複雑な感情とかそういうものが話はメインだから、最後まで良い気持ちで見れたし、サーミの民族衣装も沢山出てきておもしろかった。

わたしは、Leneが妹と湖に入るシーンが1番好きで。遊牧民のサーミ人はあまり普段水に入らないから妹は最初入るのを強張る。でも、Leneが妹においで!!と彼女を半ば無理やり湖に入れる。最初はドキドキしていた妹も水につかるとすごく良い笑顔になる。セリフもあまりない、そんなシーン。

わたしはそれを見て、差別をされていても、湖に入ることが大好きなスウィディッシュのソウルは、サーミ人もスウィディッシュもみんな一緒で。でも、どうして差別をするんだろう………最初はみんな一緒だったんじゃないかな?というそんな気持ちになって涙が止まらなかった。

監督のAmandaも、主人公Leneも実際にサーミ人で。姉妹役の2人は実の姉妹で、ふたりの演技が本当にすばらしい。Leneと彼女の妹の強く綺麗な目を見てファンになった。しかも彼女たちのおばあちゃんも出ていてすごい。Leneは現在もトナカイと暮らす遊牧民の生活をしていてるというのも興味深い。

まだまだこの映画について語りつくせませんが………(笑)本当にすばらしい映画なので来年アップリンクで公開したら沢山の人に見てほしい!そして、日本のアイヌカルチャーについてももう一度考えたい。この映画に出会えて本当によかった。
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