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サーミの血のaibon1125のレビュー・感想・評価

サーミの血(2016年製作の映画)
4.1
1930年代、差別や偏見に苦しめられてきた北欧原住民のサーミ族の心境を、一人の少女の壮絶な人生を通して疑似体験できる作品。

普遍的なテーマで、色んな国や文化で起きている・起きてきた問題とも重ね合せることができる良い映画。
今まで、サーミ族についてちゃんと考えたことなかったけど、その考えるきっかけを与えてくれた映画だった。トナカイの放牧で生計を立てるサーミ族がこの映画の主役だったけど、他にも漁を専門にしてるサーミ族など、いろんな種族がいることを初めて知った。
そして、今はそこまでではないにしても、昔はスウェーデン人からひどい差別を受けていたという事実。同化政策に応じるためにスウェーデン語やスウェーデン文化を学ぶ学校に子供を通わせたりもしていたそうな。
監督や主役の女の子含め、実際に多くのサーミ人が制作に関わっていたことが更に映画にリアリティを増していた。Q&Aで主役の女の子が「昔はサーミ人は差別に合っていたけど、私は自分がサーミ人であることをとても誇りに思っている。私のおじいちゃんおばあちゃんにぜひ見てもらいたい映画」と言っていて、更にこの映画に深みが増した。初めての映画出演なのに、それを感じさせない堂々とした演技、めちゃくちゃ良かった。
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