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サーミの血のtakuのネタバレレビュー・内容・結末

サーミの血(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

あくまでスウェーデン人によるサーミ人への差別を装置として、ひとりの少女の成長を描いている。昔のスウェーデン人はひどいね、という点よりは、差別によるサーミ人社会の閉塞感や、行き詰まりをエレ・マリャ(本人はクリスティーナと呼んでほしいのだろう)がどう感じ、どのように自分の人生を生きていくかがこの映画の見所であろう。
スウェーデン人とサーミ人を互いに差別するため、サーミ人が伝統を守っているというような構図が示唆されている。サーミ人の伝統が、彼らの可能性を制限している。
エレ・マリャはそのように抑圧されたサーミ人であることを捨て、自身の生きる道を切り開いていく。そして最後に彼女の見せる懺悔が、サーミ人であることを捨てるか否かをはじめとした様々な葛藤を見事に表現している。
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