けーな

運命の門のけーなのレビュー・感想・評価

運命の門(2014年製作の映画)
3.3
1970年代のカンボジアで、狂気に満ちた大虐殺を繰り返した反政府勢力“クメール・ルージュ”に拉致され、奇跡的に一命を取り留めたフランス人の話。実話である。

カンボジアのクメール・ルージュと言えば、映画「キリング・フィールド」を思い出す。実際にあった話を描いた壮絶な内容は、あまりにショッキングで、忘れることはない衝撃的な映画の1つだ。

今作も、同じくクメール・ルージュを描いた実話であるが、衝撃的ではあるものの、やはり、キリング・フィールドには、及ばない。主役のフランス人ビゾを演じたラファエル・ペルソナは、なかなか良かったと思うが、実際に、あのように拉致されて、屋外に、何日も鎖で繋がれていたら、もっとやつれ果て、汚れ、壮絶なものになっただろうのに、いささか綺麗過ぎた。クメール・ルージュの狂気に満ちた悪行の数々も、それほど描かれていないため、ちょっと中途半端に感じた。ビゾの命を助けたとも言えるクメール・ルージュ幹部のドッチとの友情に似た関係も、それがこの映画の重要な部分なのだが、やはり中途半端に描れているため、それほど胸に響いては来ず、残念だった。
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