ミヤザキタケル

ミヤザキタケルの感想・レビュー

2016/10/27
ハローグッバイ(2016年製作の映画)
4.2
ハローグッバイ
東京国際映画祭で10/27・10/30公開ですが、一足早くレビュー。

2015年に「ディアーディアー」にて長編映画監督デビューを果たした菊地健雄監督最新作。
生理が来ず元カレの子を妊娠したかもしれないハヅキ(萩原みのり)と、家を空けがちな親に振り向いてもらうため万引きを繰り返すアオイ(久保田紗友)は友人でもなければクラスで深く交わることもない。
それぞれに問題を抱える2人の女子高生は、ある日ひとりのおばあさん(もたいまさこ)に出会ったことがキッカケとなり 衝突しながらも一歩一歩階段を登っていく。
血の通わない家族関係 友人関係を取っ払い、真に想いを伝え合うことの大切さ・難しさを描いた作品だ。

冒頭流れ出すメロディ
映し出される女子高生

それだけでもう引き込まれていた。
今思えば、それがすべてであったのかもしれない。

その娘達が超絶カワイイってのもある。
シャツから透けて見えるキャミソール 短いスカートに終始ドキドキしてしまったのもある。

だが、彼女達はしっかりとそこに存在していた
後に描かれる彼女達の問題が 葛藤がその心に宿っている表情であった。

オッさん発言で自分が嫌にもなるが、ガラケーが主流であったぼくの高校時代と 現役バリバリの高校生達とではあらゆることが異なっていた。
さすがに人間の本質まで変わっちゃいないが、LINEやらSNSやら 友人達と関係を結ぶ上ではあらゆるツールが必要になってくる。

それらがなければ友達として成立しないことだってありえるのかもしれない。
いちいち「友達だよね?」と確認しなければ、友達であるか否かも確かめられない。

たとえ上っ面であったとしても、カタチがないと 目に見える物がないと安心できない。

時代と共にあらゆることが便利になったが、その便利さは 人間の心をひどく窮屈なモノにもする。

それは高校生に限った話ではないか。

今作にはタイトルが示すように、同じ括りの中にありつつも逆のモノが多数描かれていた。

ハロー グッバイ
ハヅキ アオイ
大勢の中で感じる孤独 1人で感じる孤独
若い女子高生 年老いたおばあさん
LINE 手書きの手紙
上り階段 下り階段
生 死

たとえ無意識であったとしても、その対比が効果を発揮し 観る者の思考を刺激していたのは間違いない。

これはぼくの個人的な感じ方であるが、登場人物にぼくと同じ名を持つタケル(小笠原海)がいた。
ぼくが過ごした童貞真っしぐらの高校時代とは違い、イケイケな日々を過ごすタケル。
勝手に対比を感じ、悶えていたのはここだけの秘密だ。

また、高校時代にあんな可愛い娘達に名前を呼ばれる経験などなかったぼくにとって
劇中で「タケル」と名が発せられる度に、かつて味わえなかった喜びを追体験しているかのようであった。

前作「ディアーディアー」もとても面白い作品でしたが、こんなにも繊細で揺れ動く女子高生達の心を 壊れやすい思春期の女子の心をスクリーンに映し出せる菊地監督の力にあらためて驚いた。
次回作は再び菊地監督本人の脚本作品を観てみたい。
ディアーディアーと今作を経て描かれる世界が、一体どんなモノになるのかが楽しみだ。
そして、魅力溢れる主演2人の今後の活躍も楽しみだ。

きっとあなたの心の重荷を少し軽くしてくれる作品です。
エンドロールが終わって踏み出す一歩は、どこか軽快なモノになっているかもしれません。

ぜひ劇場でご覧ください。

青春★★★★
恋 ★
エロ★★★
サスペンス★★★
ファンタジー★★★
総合評価:A