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ハローグッバイのMKのレビュー・感想・評価

ハローグッバイ(2016年製作の映画)
3.9
個人的にザ・邦画な作品…好き。
いじめられているほどではないけれどクラスで孤独な葵と、クラスメイトに溶け込み日常を過ごすもしがらみに辟易としたようなはづき、そんな二人が認知症のおばあちゃんの恋人探しを始めて…。

花とアリスじゃないんだけど…なんとなく存在を知っていた他人とも知人とも友人とも言えない奇妙な存在が突然のきっかけで代え難い友になってしまうような…。
扱ってるものもスケールも小さいけど、見終わった時に心がほっこりする可愛らしい作品だった。

葵とおばあちゃんの会話、それを見遣って微笑むはづき。
出会うはずのなかったクラスメイトと繋がった瞬間の、なんとも楽しげなバスの風景…ようするに青春?
あんな感覚もうこういう映画で追体験するしか出来ないのはなんとも寂しい。

どうしようもなく有り余った時間に手間暇かけて出会ったり育んだりした友情や愛情なのだからいつだって鮮明で輝いているに決まってる。
十代の当事者達であっても、遠い未来、認知症になってからでもそれはどうやら変わらないのかもしれない。

主演の久保田紗友さんはとっても清々しい美少女で、髪を結って出掛けていく姿は好感が持てた。
あとSchroeder-Headzの主題歌、手紙が届けてくれたものは本当にテーマを想起させてくれるいい曲だった。

ありきたりといえばそれまでだけど、細やかなシーンとか、自分にはノスタルジックで有意義な作品だった。
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