ハローグッバイの作品情報・感想・評価 - 29ページ目

ハローグッバイ2016年製作の映画)

上映日:2017年07月15日

製作国:

上映時間:80分

3.9

あらすじ

高校生のはづきと葵は、同じ教室にいながら交わることの無いクラスメートだ。葵は、クラスで「委員長」と呼ばれる優等生だが、仕事で忙しい両親を持つために家ではいつも孤独である。その寂しさを紛らわせる為に万引きを繰り返していることは、誰にも言えない秘密だ。一方はづきは、クラスでも目立つ存在だが、元彼との間に子供が出来てしまったのではないかと一人悩んでいた。そんな二人は、ある認知症のおばあさんと出会い、想…

高校生のはづきと葵は、同じ教室にいながら交わることの無いクラスメートだ。葵は、クラスで「委員長」と呼ばれる優等生だが、仕事で忙しい両親を持つために家ではいつも孤独である。その寂しさを紛らわせる為に万引きを繰り返していることは、誰にも言えない秘密だ。一方はづきは、クラスでも目立つ存在だが、元彼との間に子供が出来てしまったのではないかと一人悩んでいた。そんな二人は、ある認知症のおばあさんと出会い、想いを伝えたれなかった初恋の人にラブレターを渡したいというおばあさんの為に一緒に初恋の人を探そうと決める。

「ハローグッバイ」に投稿された感想・評価

lp

lpの感想・評価

5.0
『ディアーディアー』の菊地健雄監督の最新作。

久々に「今年のベスト級」と言いたくなる傑作だった!
綺麗な映像と音楽、そしてとにかく素晴らしいキャスト陣の抑えめの演技が三位一体となって、すっかり映画の虜になった。「ずーっと映画の世界に浸っていたい」と感じるタイプの面白さは、個人的には『海街diary』以来の体験。

加えて見事なのが、リアリティを醸し出す脚本と演出。
一歩間違えたら人間関係が崩壊する、スクールカースト特有の危うさが、画面から伝わってきて、異様に緊張感があった。画面の中で大きな事件は特に起こっていないのだけれども、観ている間は終始ドキドキ。

そしてさらにそこに、繰り返しになるけど、キャスト陣による実在感のある素晴らしい演技が加わる凄さ!
主演の萩原みのり、久保田紗友は言わずもがな、もたいまさこ、木野花、渡辺真起子、岡本夏美、小笠原海と役の大小に関わらず、全キャラクターに「こんな人、実際にいそう」と思わせる実在感があって良い。

ラストは観客に委ねられている部分が大きく、未だ完全に消化できていないけど、時間を掛けて消化したいと思える映画だった。

菊地監督の前作『ディアーディアー』はあまり嵌まらなかったけど、今作は見事にストライクゾーンのド真ん中でした。
#

今年見た邦画の中で一番良かった。『愚行録』が一番だと思ってたけどフワリと飛び越えました。

女子高生のグロテスクな友達関係を描いただけの映画だったらキツイなと思ってたんですが、それはほんの一要素にしか過ぎない。

女子高生を描いてるという感じもしなくて、彼女らを通して各年代の女性の人生を垣間見る冒険のように感じました。

観てる最中、ビフォア3部作を思い起こしました。
(ビフォア・サンライズ、サンセット、ミッドナイト)
会話を大事にスリリングに撮っていたからかな。画面もきれいだし。


女優さんみんな素晴らしいんですが、やはり主演の2人。

久保田沙友のカリスマ性と美しさも凄いんですが、
萩原みのりが演技うま過ぎて食い入るようにみてしまいました。

なんで萩原みのりはこんなにカメラに映されてることを意識しない顔ができるんでしょう。
なんで台本覚えたんじゃなくて今起こったことに対して今初めてリアクションしたみたいなセリフ回しができるんだろう。
バスに乗ってるときの表情と友達といるときの表情が全然違ってて、感動してしまいました。
トイレで「え、なんで知ってんの?」っていう表情なんて完璧。


どんな話か知らずに観に行ったのですが、思った以上にいろんな要素が込められた物語でした。
なのに、くどくない。
伏線の回収の仕方もササッとしてて「はい!いま見事に伏線回収いたしましたぁ!」とウザい映画も多いけど、これは上品。
※なんで警察にすぐ連絡しなかったかとか。


ラストも、僕はだいたいラストについて「長い、いらない、くどい」と思ってしまうんですが、かっこよかった。

結構大きい問題点をラストまで持ちこしてきたから、「この問題を解決しないまま終わるってのもひとつの手か」などと偉そうに観てましたが、ちゃんと逃げずにしかも必要最低限のカットで、しかも主演2人のキャラクターをより強く美しく描いてたのでもうなんかすげぇなと。。


女性がこの映画を観るときっと「学生時代の女友達ってこうだよね」と懐かしく共感するのでしょうが、おじさんが観るともはやあのやりとりはサスペンス。

「大丈夫、安心して。絶対誰にも言わないから」って言葉に「はい、私あなたの弱み握りましから」という脅迫を滲ませながらじゃないと話せないんですか、女子ってヤツは!

萩原みのりと岡本夏美の
「私たち友達だよね」
「当たり前じゃん」
というセリフは、2人ともあんなに殺し屋みたいな視線をぶつけながら言うのが正解なのですか、女子ってヤツは!


あと、僕は学生時代ずっと吹奏楽部だったので、放課後のシーンで裏でずっと楽器練習の音がずっと鳴ってるのが印象的でした。

自分が鳴らしてたあの音は、関係ない人にはこうやって聴こえてたんだな、と。
うるさくて迷惑だったとは思いますが、、吹奏楽部じゃない人にとっても、放課後のあの音は青春のBGMのひとつになってるんだろうなと、思いました。



こう言う映画の場合、男性はほとんど妖精くらいの存在感になっちゃうんですが、その中でも桐生コウジは面白い。
万引き犯を追いかけるシーンの走り方が可笑しい。。あれは演技なのか、桐生コウジのパーソナリティなのか。
「この人奥さんに逃げられたんだろうな」と思わせる走り方。
YossyHOMME

YossyHOMMEの感想・評価

5.0
昨日も今日も明日も"ハローグッバイ"

世界ってのは幾重にも重なった交わることのない高速道路みたいなもので、人はそこを走る車であり、並走する車は家族、友人、恋人、恩師…etcだったりする。そして途中にあるいくつもの分岐点を選びつつ、並走する車を変えていく。だからこそ何度も並走する車もいれば、決して並走する(出会う)ことのない車もいるのだ。それが人生なのだろう。

この映画では2つの事物(女子高生と老人、LINEと手紙、理科室と花壇…etc)が対置して描写される。そして象徴的に何度も描写される階段。言うまでもなく階段は上と下をつなぐものだ。言いかえれば、交わることなかった二つの世界、人、事をつなぐもの。この映画はある意味でパラレルワールド映画だ。交わることのなかった者同士が階段で出会い、悩み、もがいた階段の先に進むべき道が開かれている。
下手をすると、いや、かなりの確率で安っぽくなる物語を、菊地健雄監督のセンスと映画屋としての手腕が、味わい深い佳作として成立させている。

個人的にはミュージシャンの渡部シュンスケが堂々と演技をしていたのにのけぞった。味がありました。
acott

acottの感想・評価

3.4
高崎映画祭クロージングで鑑賞。優等生とスクールカースト上位系女子がひょんなことから認知症のおばあちゃんを助けることになって、微妙な関係のままおばあちゃんに関するミッションを成し遂げるお話。おばあちゃん役がもたいまさこで、それが良くて泣いた。
朝ドラ「べっぴんさん」のバーでバイトしてたサツキちゃん役の子が優等生役だった。
籠

籠の感想・評価

4.0
東京国際映画祭19本目

今年のスプラッシュもタイミングが合わず1本のみだったが当たりだった。オリジナル脚本、オリジナル楽曲が見事で、痛みがあり世相を斬りつつ未来もある貧乏臭さのない今後も楽しみな菊地監督による日本映画の秀作。ようやくちゃんと泣けた。
西木寸

西木寸の感想・評価

3.6
友達とは??

新鋭菊地監督2作目を東京国際映画祭にて、ワールドプレミアで鑑賞!
真面目な委員長と、やんちゃな人気者。
性格も学内ヒエラルキーも正反対の二人が、認知症のおばあちゃんを通して、ぶつかりながら心を交わらせていく...

とにかく、人物の関係性描写が秀逸。
気持ち悪さすら感じ取れる軽薄な女友達同士の会話も含めて、とても男性が演出したとは思えない。
主演二人が落ち着く関係性も、あり得る範囲内で最大限の関係にとどめた辺り、なんとも生々しい。
主演二人の存在感、距離感も素晴らしく、表裏の垣間見え方がまたたまらなく生々しい。
人と人の関係の実在感を、画面の中にしっかり感じさせてくれる良作でした。
korin

korinの感想・評価

3.8
対照的なJK2人に昔の恋人と友人を想う認知症のおばあちゃんと印象的な音楽。良きかな。
親、友達に顧みられず、学校では交わることのない2人。子に顧みられないおばあちゃんと出会って。。
今撮影している映画と少しテイストが似ていたよ
TIFF2016、3本目
ハローグッバイ
いよいよ明日より公開です!
2015年「ディアーディアー」にて長編映画監督デビューを果たした菊地健雄監督最新作。
生理が来ず元カレの子を妊娠したかもしれないハヅキ(萩原みのり)と、家を空けがちな親に振り向いてもらうため万引きを繰り返すアオイ(久保田紗友)は友人でもなければクラスで深く交わることもない。
それぞれに問題を抱える2人の女子高生は、ある日ひとりのおばあさん(もたいまさこ)に出会ったことがキッカケとなり 衝突しながらも一歩一歩階段を登っていく。
血の通わない家族関係 友人関係を取っ払い、真に想いを伝え合うことの大切さ・難しさを描いた作品だ。

冒頭流れ出すメロディ
映し出される女子高生
それだけでもう引き込まれていた。
今思えば、それがすべてであったのかもしれない。

その娘達が超絶カワイイってのもある
シャツから透けて見えるキャミソール 短いスカートに終始ドキドキしてしまったのもある
だが、彼女達はしっかりとそこに存在していた
後に描かれる彼女達の問題が 葛藤がその心に宿っている表情であった。

おっさん発言で自分が嫌にもなるが、ガラケーが主流であったぼくの高校時代と 現役バリバリの高校生達とではあらゆることが異なっていた
さすがに人間の本質まで変わっちゃいないが、LINEやらSNSやら 友人達と関係を結ぶ上ではあらゆるツールが必要になってくる
それらがなければ友達として成立しないことだってありえるのかもしれない
いちいち「友達だよね?」と確認しなければ、友達であるか否かも確かめられない

たとえ上っ面であったとしても、カタチがないと 目に見える物がないと安心できない。

時代と共にあらゆることが便利になったが、その便利さは 人間の心をひどく窮屈なモノにもする
それは高校生に限った話ではないか

今作にはタイトルが示すように、同じ括りの中にありつつも逆のモノが多数描かれていた。

ハロー グッバイ
ハヅキ アオイ
大勢の中で感じる孤独 1人で感じる孤独
若い女子高生 年老いたおばあさん
LINE 手書きの手紙
上り階段 下り階段
生 死

たとえ無意識であったとしても、その対比が効果を発揮し 観る者の思考を刺激していたのは間違いない。

これはぼくの個人的な感じ方であるが、登場人物にぼくと同じ名を持つタケル(小笠原海)がいた
ぼくが過ごした童貞真っしぐらの高校時代とは違い、イケイケな日々を過ごすタケル
勝手に対比を感じ、悶えていたのはここだけの秘密だ
また、高校時代にあんな可愛い娘達に名前を呼ばれる経験などなかったぼくにとって
劇中で「タケル」と名が発せられる度に、かつて味わえなかった喜びを追体験しているかのようであった。

前作「ディアーディアー」もとても面白い作品でしたが、こんなにも繊細で揺れ動く女子高生達の心を 壊れやすい思春期の女子の心をスクリーンに映し出せる菊地監督の力にあらためて驚いた。
この先菊地監督のオリジナル脚本作品を再び観てみたい。
ディアーディアーや今作を経て描かれる世界が、一体どんなモノになるのかが楽しみだ
そして、魅力溢れる主演2人の今後の活躍も楽しみだ。

きっとあなたの心の重荷を少し軽くしてくれる作品です
エンドロールが終わって踏み出す一歩は、どこか軽快なモノになっているかもしれません。

ぜひ劇場でご覧ください。

青春★★★★
恋 ★
エロ★★★
サスペンス★★★
ファンタジー★★★
総合評価:A
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