KUBO

星くず兄弟の新たな伝説のKUBOのレビュー・感想・評価

星くず兄弟の新たな伝説(2016年製作の映画)
4.0
一昨年の東京国際映画祭の日本映画スプラッシュで上映されて以来、公開を心待ちにしていた本作。ついに今週末1月20日から一般公開が始まる。

1985年、原案・近田春夫、監督・手塚眞によって作られたロック・ミュージカル『星くず兄弟の伝説』の続編で、30年経っておじさんになった旧作の主人公の2人が、若返ってもう一花咲かせようというストーリー。

その若返った2人を演じるのが武田航平と三浦涼介。武田は「仮面ライダーキバ」の紅音也、三浦涼介は「仮面ライダーオーズ」のアンクと、共に「仮面ライダー」出身。武田航平は2週前から現在放送中の「仮面ライダービルド」でも「仮面ライダーグリス/猿渡一海」役として出演中だ。

冒頭、旧作の主人公、久保田慎吾の演技があまりにも緩いんで「大丈夫か?」と不安になったが、2人が若返って武田航平と三浦涼介になったあたりからちゃんとしてくる(^_^)。

手塚眞監督が「インディーズで予算も無くて」と言っていたように、CGも肝心なところだけで、あとは往年のマットペインティング(?)との合成などを駆使して奇想天外な世界を表現している。

物語が展開する度に出てくる大物俳優。井上順、夏木マリ、内田裕也、浅野忠信などなど。その大物俳優さんたちの歌が本格的で、ミュージカルなんだけど、自然に台詞が歌になっていくタイプじゃなくて、突然ライブが始まる感じの歌唱&録音。

夏木マリや内田裕也は当然として、今回目を見張ったのは井上順のカッコよさ! もともと往年のスパイダーズなわけで、カッコ良くても不思議はないんだけど、そう言うんじゃなくて、スクリーンの中に映えるというか、そのちょっと大げさな歌い方がハリウッド俳優のようでカッコいいのだ。ミュージカルで浮かない存在感ってすごい!

次々と現れるカメオの量もハンパない! 庵野秀明、黒澤清、サンプラザ中野などなど、数えきれないほど。予算は無くても手塚監督の人望でとんでもない人たちが集まってくる。

主人公の2人も、旧作の2人から新作の2人になり、さらに…、と誰一人として映画の最初から最後まで出てる人はいない。目まぐるしく展開していくのだ。

なんか、ロックのおもちゃ箱をひっくり返したような感じ?

作品内に監督本人も出てきたりして、最後まで手塚眞の遊び心満点だ!

個性が強い作品だけに好き嫌いは別れるだろうが、カラフルでポップな手塚眞のおもちゃ箱、私は大いに楽しみました。ハジけた映画がお好きな方はぜひ!

(実は、武田航平は十数年前の教え子。上映前の舞台挨拶。ダブル主演の三浦涼介と共に舞台中央に立つ教え子の姿に感動したな〜。主演映画の舞台挨拶という晴れの舞台に立ち会えて本当に感激した。)
KUBO

KUBO