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ゲキ×シネ「乱鶯」のふじぱんのレビュー・感想・評価

ゲキ×シネ「乱鶯」(2016年製作の映画)
4.3
ゲキ×シネ第14作目

「本格時代劇をやりたい」ということで、座付き作家の中島かずきさんや常連の宮藤官九郎さんではない人に脚本を頼んだ稀な作品。
今までもそういった作品はあるが、ゲキ×シネになってる作品としては初。

この公演実際に観に行ったんですが
その時は結構酷評してました。
僕が新感線に求めるエンターテイメント性がほとんど無くセリフ劇に徹してる。派手なシーンが最初と最後くらいしかない。

しかし、ゲキ×シネで観て評価を改めました。
アップで役者さんにフォーカスを当てて観てみれば、
いつもの新感線と楽しみ方は違うけど、たまにならこれはこれであり!と。
特に第2幕は素晴らしい。キャラクターの関係性から生まれる切なさが、他の新感線作品よりもより詳細に感じられました。

このハマりきった流れで観るラストの演出は神がかってました。
生で観たのにその時は感じられなかった、勿体無いことしたなー。

橋本じゅんさんの悪役も普段の何倍も悪く見えるし、古田さんも普段の何倍も真面目に見えた。笑
大東駿介くんと稲森いずみさんも名演と言っていいと思う。この二人じゃなければこんなに感動しなかったはず、他のキャストは考えられない。

ただ特殊な作品なので初新感線としてはオススメしにくい。
この作品を楽しんだ方が他の作品を楽しめるかはわからないし、
逆に楽しめなかった人は懲りずに他の作品も観てほしいです。
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