おーつ

Dominion: Prequel to the Exorcist(原題)のおーつのレビュー・感想・評価

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日本では見ることができない幻のエクソシスト4。でも輸入盤でも日本語字幕付きで見ることが出来るのです!『エクソシスト コンプリートアンソロジー』というボックスには何故か日本語字幕付きの今作『ドミニオン』が収録されています。

これは有名な話ですが、
最初はジョンフランケンハイマーが監督する予定がお亡くなりになってしまい、ポールシュレイダーが手がけることになったものの、試写の段階で評判が悪く急遽『クリフハンガー』『ダイハード2』のレニーハーリンが『エクソシスト ビギニング』のタイトルで作り直したという、
一度お蔵入りになったポールシュレイダー版がこの『ドミニオン』です。

レニーハーリン版と見比べるのが面白いと思うのでまず先にそちらを観ることをお勧めします。

まず驚くのがキャストが主演のステランスカルスガルド以外ほとんど違う!
つまりほとんど全ての場面を撮り直していたってことなんです。
これには驚きました、正直観る前は『エクソシスト ビギニング ポールシュレイダーカット版』くらいのものを想像していたのですが、これは完全に『ドミニオン』という別物です。

じゃあ面白いか?と言われると過去3作の傑作ぶりと比べると見劣りしてしまいます。

とはいえレニーハーリンのハムナプトラかよ!って突っ込みたくなる大味な展開と比べると、今作は戦争や民族対立と信仰の関係を主人公を通して描いたドラマとして成立しています。1作目も信仰を失いかけてる神父でしたが、今作ではそれを戦争に置き換えているあたりが特色かと。


最後に、
そこまで強くお勧めするわけではありませんが、シリーズファンや、ポールシュレイダー作品のファンにはお勧めできますし、そもそも日本語字幕で観れる環境があるのでハードルの高さを感じずに見比べて観てください。
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