スターウォーズを横目に、フィリピンのおばちゃんに逢いに、いそいそと、、。
それも4時間弱!時に間近で、時に寄り添い、時に遠目に、ずっと彼女を見続ける。相棒であり恋人であり母親として。
でも、たったの4時間弱。彼女が元彼にはめられて、無実の罪で刑務所にいた30年間からすれば、、。
冤罪がはれて出所した彼女の心の闇は想像を絶するだろう。夫は死に、息子は行方不明。元彼は幸せそうに生きている。
それでも、日々の生活で出会う、いわゆる社会的弱者たちとの触れ合いの中で、彼女が本来持つ聖母のような優しい心がゆっくりと溢れ出す、、。
貧困、格差、暴力、誘拐、、フィリピンの今を、音楽もカット割りも照明すらも足さずに、静かにそれでいて熱く描く。
モノクロで夜間が多いこともあってか、南の国のはずなのに暑さは感じず、むしろ画面が北欧映画のようにキーンと冷えて感じる。その寒々しい闇の中にも微かに光はさす。凄い映画だった!
ラヴ・ディアス、、いい名前だねぇ〜。惚れ惚れする!