のり

立ち去った女ののりのレビュー・感想・評価

立ち去った女(2016年製作の映画)
4.2
こちらも、フィルマークスのおかげで観る事ができました。
白黒、3時間48分、フィリピン映画、監督が脚本、撮影、編集、こだわりの強い監督なんでしょう。作品は全て長く、10時間以上の作品もあるらしい!

冤罪で30年、復讐を決めた女の強さ、弱者に対する優しさ、特にゲイの男性との関わりには、このままの暮しが続くのも悪くないのでは、と、思ってしまったが、、
人生振り返ると幸せだったな、と、切り取れる場面は続かない、だからこそ貴重なのかもしれない。

美しかったり、陽気で明るいゲイではなく、家族、友人にも見放され、故郷を離れ、どこまで落ちていけば、自分を許すの?
そういうゲイの人も存在するのだろう、その誠実さゆえの苦悩が痛々しい。

カエルの声、虫の音、焚き火、雨、バイク、音楽のない白黒の世界だからこそ、より耳に残る、自分がそこにいるような錯覚を覚える

小津監督の顔のアップ、ヨーロッパ映画の詩的な会話、そして時間が短い、、
と、私が勝手に思っていたモノクロ映画とは全く違っていました。

映画館で観てみたかったな、3Dどころじゃない映画体験してたような気がします。
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