みおこし

ディザスター・アーティストのみおこしのレビュー・感想・評価

3.9
諸事情でオスカーにノミネートすらされなくなってしまったものの、昨年度ゴールデン・グローブ賞を獲得した、ジェームズ・フランコ監督・主演による実話を基にしたお話。例の問題があってから日本公開も延期になってしまったようですが、機内にてようやく鑑賞!

本作は、アメリカ映画史上最低の作品と呼ばれている"The Room"の監督及び主演のトミー・ウィゾーが本作を作り上げるまでの過程を描いています。
この"The Room"のレビューは追ってするとして、とにかく何かと曰く付きのブッ飛んだ作品なのですが、その製作過程も想像を絶するものだったんですね...!セリフは覚えないし、いらん濡れ場をストーリーに追加したり、そもそも脚本の度重なる変更があったりとツッコミどころ満載(笑)。むしろこれだけ支離滅裂な撮影プランと作品によく周りもついていったなというのが驚きです。
とはいえ当のトミーは、大真面目にただ溢れんばかりの映画への愛を捧げているだけなので、どんな中傷に晒されようが笑われようがへこたれません。結局はどんな作品も、手がける人の情熱が全てなんだなと、思いがけずなぜか勇気付けられてしまいました(笑)。

実際の"The Room"にはいくつもの名シーンが存在するのですが、それらをジェームズ・フランコ、デイヴ・フランコ、セス・ローゲン、ザック・エフロン、ジョシュ・ハッチャーソンなど豪華キャストが嬉々として演じるのがもう爆笑の連続(笑)。撮影中きっと笑いをこらえるので必死だったろうな...!特にトミー役のジェームズのなりきりぶりは圧巻。喋り方、姿勢、表情全てがゴールデン・グローブ主演男優賞も納得の熱演でした!
恐らく世界一有名なダメダメシーンの'I did nooot. Hi,Mark.'のシーンはあんなに何度も撮り直したとは知らなかったですが、これも完全再現っぷりがスゴイ。他にも名シーンたちをエンドロールで本編と本作との対比で楽しめるので、必見です!

想像の斜め上を行く、一風変わった青春映画になっていてとても楽しめました!なおさらアカデミー賞にスルーされてしまったのが残念...。
きちんとキャッチアップできたか不安なので、日本語字幕ありきでもう一度映画館で観たい...!日本公開はいつになるんでしょうか。
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