LEGION

ライフのLEGIONのレビュー・感想・評価

ライフ(2017年製作の映画)
3.0
地球外生命体を調査していた6人の宇宙飛行士が直面する無重力での危機を描いた物語。シチュエーションパニック映画としてはありきたりだが、宇宙空間を活かした登場人物の死に方やラストの後悔では片付けられない無念さは同類の映画との違いを作り出し、この作品特有の質を形成していた。カメラワークでも宇宙空間であることを上手く利用し、重力を感じさせないようなふんわりとした軽さと上下左右の存在しないような世界で360度動き回る映像になっていて、実際にその場にいる感覚を味わえるものになっていた。雰囲気を作るためのカメラワーク(①)が良かった分、話に焦点を置いたカメラワーク(②)の平凡さが目立った。良くも悪くもないものだったが、この映画のほとんどの技法で舞台である宇宙を意識されていたため工夫のない②は映画の質を落としてるように感じてしまった。
新しいことに挑戦するのは人生において大事なことかも知れないが、取り返しのつかない過ちにも成り得るということを十分に示していた。この作品で新しく挑戦したのは宇宙の生命体を研究したこと。登場人物たちの場合、そのことへのリスクは重々承知していた。それを踏まえた上でのこの作品の結末は社会の現実を表現しているように感じた。好奇心を抱くことも場合によってどれだけ危険になるかを示していて心理的怖さがあった。
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