ねーね

ライフのねーねのレビュー・感想・評価

ライフ(2017年製作の映画)
3.0
無重力×殺人エイリアン。
対するは5人の宇宙飛行士たち。
果たしてその闘いの行方は…

素直に面白かった。
個人的にこういうB級っぽいSFが好きというのもあるのだけれど。
物語冒頭のシークエンスが『ゼロ・グラヴィティ』のような美しいワンカットで、一気に映画の中へひき込まれた。
このために実際に作り上げたという宇宙船内の緻密な描写もリアリティがある。
雄大な宇宙空間で未知なる生物に出逢い、みんなで名前をつけて可愛がる姿は、宇宙航海紀行さながらに、これから起こる悲劇を想像もさせない微笑ましさだ。

しかしその空間は突如破壊される。
ヒトデのような可愛らしい生物は、みるみるうちに成長を遂げ、モンスターへと変貌する。
タイトルの『ライフ(命)』の意味は宇宙生物のそれかと思いきや、宇宙飛行士たち5人の『命』へと焦点を変えてしまうのであった…

ストーリーの流れはどこか既視感があるものばかりだが、モンスターの動きが非常に予測不能かつグロテスクで、密室空間での絶望感とハラハラ感を生み出すには充分だった。
(アメリカ人はどうやら、モンスターといえば甲殻類系にしたがる傾向があるようだ)
短い時間の中で、一気にラストまで畳み掛けるスピーディー感は、観ていて飽きのこない面白さだ。

もちろん、キャストの豪華さに惹かれたのは言うまでもない。
ジェイク・ギレンホールが久しぶりにまともな良い人を演じ、ライアン・レイノルズもコミカルな同僚として共演している。
いまやハリウッドのビッグスターとなりつつある二人を、サラリと使っているところが逆にアンバランスで面白い。
そして我らが日本代表の真田広之。
最年長の宇宙飛行士を演じている。
相変わらずダンディで魅力的だが、ゆったりとした喋りが役に合っていて、人間味のある演技をうまくこなしていた。

あのセリフ被りは、皮肉が効いていて良かった。
ただラストの是非については、鑑賞した方と感想を語りあいたいところ。
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