ひろぽん

ひるなかの流星のひろぽんのレビュー・感想・評価

ひるなかの流星(2016年製作の映画)
4.6
親の都合で田舎から東京の高校に転校してきた与謝野すずめが、担任教師の獅子尾五月と同級生で女嫌いの馬村大輝との間で揺れ動く恋心を描いた物語。


高校2年生の与謝野すずめは、両親の海外赴任をキッカケに東京に住む叔父である諭吉のところで暮らすことになる。目まぐるしい都会の空気にのまれ、叔父の家に向かう途中の公園で昼間に流星を見た後に倒れてしまう。その時、諭吉の知り合いである獅子尾にたまたま助けられる。翌日、学校に行くと獅子尾が担任の先生であることに気づく。獅子尾先生のフォローもあり、すずめの隣に座る馬村と友達になり、それを不機嫌そうに眺めるゆゆかとも友達になって複雑なラブストーリーが繰り広げられていく…

転校して間もない頃は田舎の芋っぽいノーメイクのすずめが、ゆゆかにメイクをしてもらって学校中の男子が振り向くような都会派の美人に大変身するシーンの永野芽郁がめちゃめちゃ可愛かった。

田舎育ちで恋を経験したことのない純粋な雰囲気のすずめのキャラがとても良かった。

地元の仲間をバカにされて殴るよって言った時には殴ってたり、告白の返事のためだけに次の日の朝に馬村の自宅まで全力疾走で行ったり、夏期講習で獅子尾が事故にあったからって田舎から東京まで駆けつけたり、そこからとんぼがえりで馬村のもとへ走って行くなど、天真爛漫で自分の気持ちに真っ直ぐ向き合い、誰に対しても真摯に対応する姿勢が好きだった。すずめのキャラは男ウケ良くて、女からは嫌われそうなタイプなのかもしれない。

少女漫画のファンタジーの世界観として観ているから、獅子尾先生の生徒にキスしようとしたり、デートに誘ったり、バックハグしたり、恋敵の生徒の胸ぐら掴んで暴言吐いたりする現実的に考えたらOUTな行為も受け入れられた。

馬村と獅子尾がお互い胸ぐら掴みあってバチバチにやり合ってる姿が個人的には1番好きだった。体育祭でアンカーとして走り競い合う2人と、それを複雑な気持ちで見守るすずめの姿が良かった。

永野芽郁のウブな演技や、意外にも全く違和感のなかった白濱亜嵐の演技が良かった。三浦翔平の役は正直ダサいけど、嫌いじゃない。カッコイイから許されてるけど、やってる事はエグい。先生の暴走を牽制した佐藤隆太のワンシーンだけどインパクトのある威圧感が役者として凄かった。

三角関係のお話だけど日本の恋愛映画の中でもスッキリしてて観やすく個人的には好きな作品。吉祥寺が舞台だからわりと親近感湧いてるのも理由の一つかも。登場人物全員の名前が動物縛りなところも好きだったりする。
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