たろさ

THE BATMAN-ザ・バットマンーのたろさのレビュー・感想・評価

3.5
自らをリドラーと名乗る男(ポール・ダノ)がゴッサムシティの市長、警察本部長、検事らを次々と殺す事件が発生。バットマン(ロバート・パティンソン)は独自に事件を追う。


映画化された今までのバットマン映画の中でおそらく一番地味な作品。夜のシーン、雨のシーン、曇りのシーンだらけで雰囲気も非常に暗い。バットマンは一般人相手にもちょいちょい殴られて苦戦して圧倒的な強さはないし、爆弾の近くにいて爆発に巻き込まれて気絶しちゃったりしてうかつでもある。おもしろガジェットも超高性能コンタクトレンズくらいで派手さはない。アクションシーンも少ない。
全体的にコミック感がなく派手さもないが、その分現実にいそうなリアル路線を意識していてシリアスで重厚。「あんなコスプレした自警団野郎が現実にいそうなわけがないだろ」というツッコミはなしで。

悪役が地味。ペンギン(コリン・ファレル)は「バットマン リターンズ」のダニー・デビートのペンギンと比べるとかなり地味で普通の人という印象。そもそも魚を生でパクパク食っていたダニー・デビートのペンギンがやりすぎなんだけど。リドラー役のポール・ダノのサイコっぷりはよかったけど地味。「バットマン フォーエヴァー」のジム・キャリーが演じたリドラーもやりすぎ。
バットマンとキャットウーマン(ゾーイ・クラヴィッツ)の恋愛は余計だった印象。キスシーンは唐突。キャットウーマンはルームメイトのアニカ・コスロフ(ハナ・ハルジック)を探すという目的でバットマンと合流するが、いなくてもよかったと思う。
アンディ・サーキスのアルフレッド・ペニーワースは存在感が薄い。ティム・バートンの「バットマン」以降、歴代のアルフレッド役はマイケル・ガフ、マイケル・ケイン、ジェレミー・アイアンズと、年配で上品なイギリス人紳士ばかりだった。それらと比べるとアンディ・サーキスのキャスティングは異色。何か挑戦的なことをするのかと思ったがあまり印象に残らなかった。


キャットウーマンのマスクがかっこ悪い。しかも顔がちゃんと隠れていない。
コリン・ファレルが出演しているのは全然気が付かなかった。
バットマンがビルから飛び降りるところが危なすぎて笑った。今までのバットマンだったら羽根を広げて華麗に飛んでいたはず。
テーマソングのニルヴァーナによる"Something In The Way"がかっこいい。
たろさ

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