ねまる

THE BATMAN-ザ・バットマンーのねまるのレビュー・感想・評価

3.8
ロバート・パティンソン版バットマン。
2年前、『TENET』と『悪魔はいつもそこに』を立て続けに観て、その振れ幅に驚いた。
どちらがロバート・パティンソンという俳優なのか?と。
だからこそ、ロバート・パティンソンが演じるブルース・ウェインが楽しみだった。

目の周りを黒く塗りたくり、陰湿な顔してる夜行性なブルース。
確かに今までのブルース像とも、ロバート・パティンソン像とも違っていて、何度も何度も映像化されたバットマンの物語の再構築になっていたと思う。
バットマンになって2年目の若き日を、サスペンステイストで描いているのだから。

想像以上に暗くて、じめじめしていて、架空の都市ゴッサムシティをメインの主人公として描いているようだった。
あまりに暗すぎて、家の明るさじゃ見えないかもしれない。映画館ですら何が起きているのかよく見ないと分からなかったりする。
それでもいくつもの印象的なカットによって、引き込まれる映像になっているのだけど。

デヴィッド・フィンチャーを恐らく確実に意識していると思うので、フィンチャー好きの私からすると好きな感じ。『セブン』の雰囲気で、『ゾディアック』をやっている。そこに『マインドハンター』の要素が加わる。

検事がピーター・サーズガードに似ているなと思ったら本人だったのでガッツポーズ。
マイベストバットマン映画『ダークナイト』でピーター・サースガードの妻、マギー・ギレンホールが演じた役割を考えるとなんとも見事なキャスティング。
ジェフェリー・ライトのゴードンや、コリン・ファレルのペンギンなど良いキャスティングが多かったけど、久しぶりにピーター・サースガードで舞い上がりました。

3部作の一作目だというこの作品。
復讐ではなにも変わらず、希望にならなきゃと学んだバットマンがこれからどう光を纏っていくのか。
続編も観たい。
ねまる

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