個人的には、すごく良かったです。
なんでしょう？
深く心に残りました。
これ、フィルム・ノワールだよね。
カラー作品なんだけど、全体に夜の
シーンが多かったり、黒めの衣装
だったりで、結果、モノクロ作品を
観ているようでした。（探偵）がいて、
（腐敗した者たち）がいて、ゾーイ
演じるセリーナが、ファム・ファタール
でね。それがバットマンの世界にマッチ
していて、カッコよかった。
ハンフリー・ボガード演じる
フィリップ・マーロウのような
ハードボイルドな感じもあり、
男女の描き方も往年のハリウッド映画の
クラシカルな香りのするものだったり、
ヴィランの狂気や狡猾さは（セブン）を
想起させるものだし、街や人の腐敗の
描写などは（L.Aコンフィデンシャル）を
観ているようだったり。
何より、ブルース・ウェインが、
成熟したキャラクターではなく、
まだまだ未熟で、不確かで、若く、脆く、
荒々しく、まだ走り出してもいないキャラ
クターだったのが、すごく新鮮だった。
すごく大人な作風なんだけど、
カッコよさに振り切っていた。
単純にカッコいいなぁと思ったし、
単純に渋いなぁとも思った。
全然予備知識がなく観たので、
こう来たか！と嬉しかったし、
ここまで振り切るか！と驚いた。
良き良き。
リドラーのキャラクターをそのまま
ベースにしたような謎解きやサスペンス
スリラーな作風で、もうこれは個人的な
好みなのだけど、もっともっと
観ていたかったなぁ。
