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汚れたミルク/あるセールスマンの告発の小のレビュー・感想・評価

5.0
この映画は価値ある本物のスクープだ。<映画的な演出を除き、作中で描かれていることはすべて事実>(主人公アヤンのモデル、サイヤド・アーミル・ラザ・フセイン氏)。誰もが知る多国籍企業が原因で、パキスタンの乳幼児が亡くなっている事実を命がけで告発する。

映画製作に14年、公開に3年、日本が世界初公開。フィクションとノンフィクションの境を曖昧にした演出、構成。サイヤド・アーミル・ラザ・フセイン氏の初日舞台挨拶の中止。様々なことがこの告発の困難さを物語る。

ヒト、モノ、カネのすべてにおいて圧倒的な力を持つ多国籍企業に、1人立ち向かう。それがいかに大変なことか、割に合わないことか、想像するに難くない。そしてフセイン氏と家族は今、命の危険のある母国を逃れ、カナダで暮らしている。

にもかかわらず告発する。その動機は<親であることの痛み、子どもが傷つくことの恐ろしさを、身をもって知ったから>。
http://rollingstonejapan.com/articles/detail/27762/1/1/1

この映画の初めての劇場公開が日本であることを、僕らは誇りに思うべきではないだろうか。キャスト、製作スタッフはもちろんだけど、配給会社、上映館も称えるべきではないだろうか。

以下、新宿シネマカリテのウェブにある作品紹介の最後の4行からの引用。

立ちはだかるは絶対的な権力の壁。
守るべきは小さな命たち。
真実に気づいた男、信念の強行。

これは隠された真実の物語。刮目せよ!
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