のあくろ

汚れたミルク/あるセールスマンの告発ののあくろのレビュー・感想・評価

4.0
多国籍企業の販売方法に対して、あるセールスマンが告発する映画。

と書いたら一見ただのノンフィクション映画のようではありますが少し変わった構成で作られています。

「セールスマンが告発する内容を映画化する過程を記録した」映画です。
なのである種フィクションのドキュメンタリー、つまりモキュメンタリーのようでもあります。
仮名を使おうとか言いつつもサラッと本当の企業名が出てきたり、一方的な正義ではなく主人公であるセールスマンも和解金の交渉を企業としていたと、良いこともそうでないことも起こったこと全てを記録しようという姿勢が描かれます。

セールスマンが告発した、インフラ整備が不十分な中で粉ミルクを売り続けたことはは20年以上のことですが、実際にそれを映画として作る中でわかったのはそれが今も続いているということ。
ネ○レを始め多くの多国籍企業は会社の利益のために商品を売り続けます。その土地の状況や事情を無視して。
グローバル化について勉強すれば必ず出てくる「罪の部分」ですが、この映画を見ることでまた改めて気づかされると思いました。

そしてまた面白いのはこの映画が世界で日本だけでしか公開されてないことです。日本映画じゃないのに。
パッケージ化されるかわかりませんし、いつどこで再上映されるかわかりませんが、もし鑑賞する機会があれば観てみてください。
のあくろ

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