sickboya

汚れたミルク/あるセールスマンの告発のsickboyaのレビュー・感想・評価

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多国籍企業と政府の癒着により、不衛生な水しかない環境で普及した粉ミルクによる乳幼児死亡事件が描かれている。
そして、これは実話であり未だに解決していない大変な問題である。
この問題をリークした人物は20年近く国に帰ることが出来ていない。

そして、これは多国籍企業に罪があるのは勿論だが、先進国に生まれ、生きている私達全員の責任でもある。

私達の世界を築き上げているものは、私達が普段何気なく行なっている買い物であり、それは選挙よりもより直接的に現実世界に反映するものである。
こうした搾取や劣悪な労働を強いている企業の物を買わないという消費者行動は必然であり、私達先進国に住んでいる人間の責任である。
それは私達先進国は彼らの労働力に頼り、私達の世界を成り立たせているからである。
そこからお金を使うということには、実は社会的な責任が付きまとっているということを考えなければならない。

このような多国籍企業による発展途上国の人々への搾取を防ぐことを望むのであれば、私達の生き方を変えるのが近道かもしれない。
そんな風に考えてしまう映画だった。
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