Liverpoolma

汚れたミルク/あるセールスマンの告発のLiverpoolmaのレビュー・感想・評価

4.1
日本でも馴染みのある、キットカットを生み出した世界最大の飲料・食料会社、ネスレの話。企業のイメージを大きく損なう可能性のある作品。実話を元にした内容で、舞台はパキスタン。もともと国内の製薬会社の営業マンだったアヤンは年収アップのために外資企業のネスレに転職。持ち前の才能を活かして、瞬く間にネスレのトップセールスマンに。しかし、ある日恐ろしい現実を突きつけられる。ネスレの乳製品で育った幼児達が、栄養失調のために亡くなる事実を目の当たりにしたのだった。現在も続く論争だが、ポイントは、ネスレが金銭的に余裕のない発展途上国にまで宣伝をするべきだったかどうか。企業側は、「使い方(粉ミルクを極限まで薄めたり、汚染された水道水を使用したり)」までは責任を取れないと反発しているみたいだが、命より利益を追求した罪は重いと思う。大きな企業は大なり小なり、このような倫理観を問われる場面に何度も遭遇しているんだろうなあ。
Liverpoolma

Liverpoolma