8さん

サラエヴォの銃声の8さんのレビュー・感想・評価

サラエヴォの銃声(2016年製作の映画)
3.6

サラエヴォ事件から100年が経った記念日に、ホテル内で渦巻く人間模様を描いた群像ドラマ作品。

ホテル・ヨーロッパは、第一次世界大戦のきっかけとなったサラエヴォ事件から100年の記念式典を行う為の準備に追われていた。ホテルに集うさまざまな人達、仕事熱心な美しい受付主任、屋上で戦争と結果についてインタビューするジャーナリスト、100年前の暗殺者と同じ名を持つ謎の男、演説の練習をするVIP、ストライキを企てる従業員達とそれを阻止しようとする支配人。人びとの思惑が複雑に絡み合い、運命の歯車は次第に狂い出す…


『その引き金を引いた者は、英雄なのか、テロリストなのか。』


観賞前に少々学んだサラエヴォ事件。どんなに時間が経とうが、人々の胸に今も尚色濃く残る感情。伝統のあるホテルには、記念日の準備や関係者の利用でいつもとは違う騒がしさがあった。ホテルの限られた空間には、視線の先に捉えるものが全く異なった人間(人種)がいて、居心地の悪さと息苦しさを感じられる。通常では表に見え難い、内に秘めたる想いが溢れ出し他人の人生までをも飲み込んでしまう言動と1発の銃弾。放たれた想いによってどう変化していくのか?語られる事のないその先が気になる作品でした。