軋轢とーふ

サラエヴォの銃声の軋轢とーふのレビュー・感想・評価

サラエヴォの銃声(2016年製作の映画)
3.5
ボシュニャク人アナウンサーとセルビア人ゲストの口論が激し過ぎる。同じ "ボスニア国民" でも民族が異なるとこんなにも歴史観が違うとは。
「お互いに殺し合ったんでしょ?喧嘩両成敗じゃない?」くらいの軽い認識しか持っていなかった私には、この大きすぎる価値観の隔たりに唖然とするしかなかった。

そんな二人だが「自国民も救えん奴らを頼るのは無意味では?」 (=欧米諸国の干渉は余計だ) という意見では一致していて、なんだか皮肉めいて聞こえた。
NATOの介入や「セルビア人=悪」という欧米諸国の勝手なイメージ。これはボスニア・ヘルツェゴビナにとって本当に良いものだったのだろうか。

「欧州は死んだ」
劇中で「ホテル・ヨーロッパ」の辿った救いのない結末。これが比喩ではなく単なるフィクションであれば、とても気が楽だったのに。
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