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わたしたちのりのネタバレレビュー・内容・結末

わたしたち(2016年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

記憶を覗かれたのか?と思うほどの追体験。ソンちゃん…いや、もうむしろソナと呼ばせていただこうじゃないの。君は小学校のときのわたしそのものだ!話に入れてもらいたいのに入れてもらえない、入れてもらっても上手にノレない、誕生日会に招待してくれない、運動音痴だから体育の授業ではもちろん煙たがられる、目の前で聞こえるように悪口を言われる…漫画「ライフ」で描かれたような強烈ないじめではないけど、スクールカーストという構造の檻の中で繰り返される仲間はずれゲーム。韓国と日本のいじめの土壌が似ているのか、それともどんな国であってもこの年の頃の女の子はみな同じ行為に走るのか知らないけれど、わたしが体験したそれと全く同じ。こういうのって、かつて女の子だった人たちの半分は経験している(同時にそのまた半分の半分くらいは仲間はずれにする側だからこういう思いしたことないんだろうな、ムカつく…)。今考えれば、そんなことされたって幼稚だし大したことないじゃんって思えるが、やっぱり当時はそれなりに辛かった。まあ、その相手と仲良くやっていけるかいけないかを見極められない自分も悪いんだけどね。


彼女たちの世界と関係性を表現するためのマニキュアという小道具。小学校、顔にお化粧はだめだけどマニキュア塗るくらいならなんとなく許されていたから設定的にも無理がなかったし、なおかつ映画の中でとても効果的に働いていたと思う。二人で染めた時はとっても可愛かったホウセンカの紅色も、ボラたちカースト上位層女子のパステルカラーのマニキュアの前では霞んでしまって、紅色は消えかけたり別の色を塗り重ねられたりするんだけど、最後は結局また元の紅色に戻っていくっていう。
人間ってとても賢いから相手と考え方の合う/合わないの匂いを感じ取る嗅覚のようなものをちゃんと成長させていける。ボラたちとは一生仲良くなれなそうだけど、ジアとはまた仲良くなれそうだ。
小学生のときに、わたしのこと仲間はずれにしてた女の子たちの名前を自前のデスノートに書いたら親にこっぴどく叱られたの思い出した。今になってわかるけどやっぱ親の言う事って正しいよね。やっていいこととわるいことがあるね。ソナが弟をいじめる悪ガキのことをつい「死んじゃえばいいのに」と言ってしまったシーンで思い出しました。
あとわたし多分ソナよりも真面目で小心者なのであの状況では絶対に色鉛筆貰わないし使えないし、観終わった今でも万引きのこと謝らなくていいのかなって怯えてます。
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