なやら

わたしたちのなやらのレビュー・感想・評価

わたしたち(2016年製作の映画)
4.0
よかった。
イイ奴は傷付けられ、普通の奴は悩まされ、結局性悪ばかりがノビノビ羽根を伸ばしてる、みたいな学校のクソなリアルが詰まってる。
ホント小学校高学年って、そこにいるだけで逆人格教育になっちゃう様な殺伐としたクラスが多いのよ。
キャラで乗り切れたり他にも居場所が見つけ易い中・高・大と違って、真正面から向かい合うしか無いし、目に見える差異が生まれにくいから「空気」の影響力がより強いような。
そんなキツイ環境でハブられてる主人公がどう成長するか、って話なんだが、上手く出来ていると思う。
終盤、主人公がいじめる側の力学に引き込まれてしまいそうになるのだが、それを意図せず引き止める弟くん(4歳!)がものすごく良い。。。屈託ない超然ぶりがあざといセリフを完全に覆い隠している。アレ、監督は一体どういう演技指導をしているんだ?
あと、いじめっ子側へ転向してしまう前の転校生と爪に塗り合った、ホウセンカマニキュアを巡る描写が泣かせる。あんなに鮮やかだった朱色が、塗り直されること無くだんだん斑になっていく切なさ。。。友情と同じように。。。
冒頭とラストを同じシーンで挟む構成も効いてたな。寄ったショットが極端に多く、心理主義に依り過ぎている様な所が気になりながら観てたが、ラストの主人公の(冒頭と対比的な)晴れやかな表情の素晴らしさのおかげで不満はだいたい掻き消される。主人公を見つめる転校生役の不器用っぽい顔つきも良いし、顔の映画ってことでオッケーです!
なやら

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