木葉

わたしたちの木葉のレビュー・感想・評価

わたしたち(2016年製作の映画)
3.8
これは、素晴らしい。少女たちのアップカットが、演技ではなく、素を見せつけられてるかのようで。
いじめを主題にしたこの映画は、最初からわたしたちも、スクーリンに投げ込まれたかのよう、緊張感を持ち、息を潜めて見つめているかのようで、少女たちの表情から一時も目が離せない。
子供たちの人間関係には、親の所得の違いや、共働き、親の離婚が関係していることが、それによりスクールカーストが決まってしまったりすることが、説明なく、子供たちの表情、行動で入ってくる。いじめられる人にとって、いじめは、複雑で、痛ましくなるほど、切実だ。
主役の女の子が一見物憂げで、気弱そうにみえる。しかし、どんな状況にも幼い知性とエネルギーで跳ね除け、強く乗り越えていくさまが、頼もしい。
これは、経験では取り繕えない、場の空気の読み方、相手への行動、それに伴う変化、繊細な心理描写、子供時代を過ごしたわたしたちの映画でもある。
主役の女の子、そして、弟役の子が素晴らしい。弟の台詞は忘れられない。
すべてが、自然で、すっと溶け込むような映画だった。
木葉

木葉