ミチ

わたしたちのミチのレビュー・感想・評価

わたしたち(2016年製作の映画)
4.8
小学4年生の少女たちの、夏休みから新学期までを描いた作品。


冒頭のドッジボールシーンが本当に秀悦。

特にドッジボールが始まってからの主人公ソンを追う絵が素晴らしい。

もうこれだけで、作品の背景が伝わり、一気に世界観に引き込まれる。


小学4年生というのも絶妙な年代だと思う。

素直で無邪気。だからこそ残酷。

前の日まで友達だったのに、突然友達じゃなくなるあの感覚を思い出す。

本当に小学4年生が作ったんじゃないかと思うほどの空気のリアルさ。


好きな監督として是枝裕和を挙げるだけあり、小道具の使い方や即興演出など共通する部分が伺える。

そこに女性ならではのやわらかさのようなものが加わり、題材の捉え方はシビアなのだが、常にやさしさのフィルタがかかっているかのようだった。

登場人物たちへの愛しさが、劇場を離れてからもどんどんと強くなっていくのは、このあたたかくやさしい視点によるものなのかもしれない。

メッセージを押し付けることのないこの作品の中で、ソンの弟が放つ一点の曇りもない言葉は、観る者すべての心に刺さるだろう。


おそらくこの作品は性別や年齢で捉え方が大きく変わると思う。

彼女たちくらいの子どもたちにはどう映るのだろうか。

実体験をもとにした作品ということで、これからユン・ガウン監督がどんな作品を作っていくのかに期待したい。