vizilake

わたしたちのvizilakeのレビュー・感想・評価

わたしたち(2016年製作の映画)
4.0
昨日の夕飯が思い出せない人でも、子供の頃に体験した繊細な感情はずっと覚えているはず。。
いじめられっ子の主人公に出来た唯一の友達は、嫌われることに人一倍恐怖を感じる女の子だった。。
小学生の薄情な友情とイジメにスポットを当てたこの作品は地味で静かでありながらその全てを94分間に収めている。。
この映画を観ていると山田花子(漫画家)の作品を見て思い出す。。
着眼点が繊細過ぎて、観ていて辛くなる点が似ているからだ。。
それは登場人物に感情移入するためだけでなく、監督自身の神経質さに不安を覚えるためだ。。
この感性を持ち続けてこの世の中を生きるのは苦しいだろうなと感じる。。
しかし、この神経質な感性が『わたしたち』の魅力であり惹き込まれる所以だろう。。
特にそれは演出に表れており、キーになるのは“表情”だ。。
出演者である子役の表情をアップで見せて、観客にその感情を伝えること。。
大人が考えた台詞を子供に話させても、それは噓にもなってしまう。。
言葉よりもリアルに少女達の葛藤が伝わるのだ。。
表情の他にもう一つ、、
“爪”による時間の経過と感情の表現が堪らなくセンチメンタルな気持ちにさせる。。
ストーリーはやや残酷で湿っぽいが、主人公の母親の愛の深さと人間的な強さ、4歳の弟の無邪気さに救われるだろう。。
特に終盤のワンシーン、弟の名台詞は本当に素晴らしかった。。
今夜、僕は疎遠になった友人のことを思い出しながら眠る。。
あいつは今何処で何をしているのだろう?