【いじめの答え】
※今週の土曜に、「はちどり」を鑑賞します。いわゆる「スクールカースト」の問題に着目した作品で、世界的にも高い評価を受けた作品だと聞きました。今回はそれを踏まえ、同じ「スクールカースト」の問題に触れた、こちらの作品を鑑賞しました。
[気まぐれ映画レビューNo.38]
"いじめ"は世界的な問題である。
恐らくこの先も無くならないであろう、この根強き問題を取り上げた映画を多く作っている国がある。韓国だ。
もちろん傑作揃いなのだろうが、僕は一度も触れた事がなかった。そんな中、この作品があった。
見た目はチャーミングな印象のこの作品だが、箱を空けると、いわゆる「いじめ」の"典型的な面"がぞろぞろと詰められていた内容であった。
パッケージにもある通り、物語の中心にあるのはこの"二人の少女"だ。
主人公の"ソン"は、いわゆるあまり他の子とは話さないような子で、いつもひとりぼっちな毎日を送っていた。そんな中、彼女にも"友達が出来る"。
"ジア"という子が転校してくるのである。最初は良好な関係でいられたのだが、[新学期を迎えたある日]、二人の関係性に綻びが生じる。
この作品では、"いじめが起こる原因"として、大まかに"二つ"挙げている。
一つは、「金銭的要因」。これは韓国だけの問題ではないかと思うが、「パラサイト半地下の家族」でも描かれていたかと思うが、韓国の"経済的格差"は相当なものである。
それを"からかう子供"がいる。まだ人の立ち位置を"極端に決めてしまう"年頃であり、それがエスカレートしていくと「いじめ」に繋がる事を指し示しているのである。
二つは、「大人からの影響」。
子供は、"大人から言われたこと"を純粋に信じる。「~とは遊ぶな」「~は悪い子だ」と、まだ何も知らない子供たちは信じてしまい、その子から離れる。
仕方がないことかもしれない。だが、心理的に騙そうとする大人による"身勝手な吹聴"が、「いじめ」に繋がる事をしめしている。
とても的を得ている。そしてとても残酷。
この作品を観ている、元いじめっ子、元いじめられっ子が、それぞれ"どんな思いで観ていたのか"が気になる作品である。
もちろん韓国独自の問題も混ざっているかもしれないが、"日本でも世界的にも言えること"なのである。それを、割りとリアルに描いた"ユン・ガウン"監督に、感服した。
ぜひ、これを踏まえて、「はちどり」も鑑賞したいものであります。