わたしたちの作品情報・感想・評価 - 16ページ目

「わたしたち」に投稿された感想・評価

miki

mikiの感想・評価

4.1
小学校の中で起こっているであろうリアルさ
これは本当に映画の中なのか疑うほど
違和感なくスーッと入り込める作品だった。
過去の記憶が蘇ってきて感情移入せざるを得なくて涙が出た。
胸がきゅーっと締め付けられる感じ。
期間毎に変わっていくいじめの対象や親子内での会話、
言葉の暴力と身体の暴力。
人を簡単に傷つけ簡単に途絶えてしまう関係。
でも互いに過ごした時間が長く細く心に残り
どこかで気にかけているようなもどかしさ。
本当は話したいのに話せなかったり
たった一言の「ごめんね」が伝えられない。
そんな誰もが経験したことのあるような繊細で心苦しい感情。
エンドロールもものすごく良かった。
とにかくソンの演技と弟役の子は天才すぎるほどナチュラルで魅了されるはず。
gm

gmの感想・評価

5.0
始まった瞬間からソンに釘付けになった。
映画として作られた物だとは思えないほどのリアルさだった。
すごいな。

ものすごく色々な事を感じたけれど、言葉にするのはとても難しい。

それにしても・・・
どの子も凄かったけど、なんてったってあの弟。
どういうこと?
出来るものならスクリーンから抱き上げて家に連れて帰りたかった。
可愛すぎでしょー♡

それにしても韓国の子役は本当に本当にスゴイな。
子どもたちの世界の力関係の変化、その世界は親や保護者や先生といった大人の世界からの影響とも無縁ではなく、PRでおどる「いじめ」という言葉では(むしろ矮小化していると言えるほど)つかみきれないふくらみを感じた。
ドッヂボール、ブレスレット、ネイル、海苔巻きなどが心象の微細な変化の器になったり、饒舌に語るのではなく、過剰にドラマを盛り立てず、日常のささやかな視線を追うというカメラの動きに託す辛抱強さは、喜び、嫉妬し、傷つき、傷つけ、惑ったりする、子どもたちの命あるあらゆる表情を引き出した演出にも通じるとおもった。
このまま終わってほしくないとおもえたり、とても長く感じたり、100分弱の最初から最後まで「退屈」などと感じさせず、スクリーンと客席を、加害と被害を、「あっちとこっち」と分けて考えさせることなく、「わたしたち」になったような時間を味わえた。
背景には韓国の、日本もそうだけど比べものにならないと言う、超絶学歴社会や能力主義があるのだろうけれど、監督はその気配を漂わせるだけ、だからこそ子どもたちのきゅうきゅうや緩んだ視線がいろんな意味を放射していることの感受を観る側に委ねる仕組みになっている。
傑作だとおもいます。
なやら

なやらの感想・評価

4.0
よかった。
イイ奴は傷付けられ、普通の奴は悩まされ、結局性悪ばかりがノビノビ羽根を伸ばしてる、みたいな学校のクソなリアルが詰まってる。
ホント小学校高学年って、そこにいるだけで逆人格教育になっちゃう様な殺伐としたクラスが多いのよ。
キャラで乗り切れたり他にも居場所が見つけ易い中・高・大と違って、真正面から向かい合うしか無いし、目に見える差異が生まれにくいから「空気」の影響力がより強いような。
そんなキツイ環境でハブられてる主人公がどう成長するか、って話なんだが、上手く出来ていると思う。
終盤、主人公がいじめる側の力学に引き込まれてしまいそうになるのだが、それを意図せず引き止める弟くん(4歳!)がものすごく良い。。。屈託ない超然ぶりがあざといセリフを完全に覆い隠している。アレ、監督は一体どういう演技指導をしているんだ?
あと、いじめっ子側へ転向してしまう前の転校生と爪に塗り合った、ホウセンカマニキュアを巡る描写が泣かせる。あんなに鮮やかだった朱色が、塗り直されること無くだんだん斑になっていく切なさ。。。友情と同じように。。。
冒頭とラストを同じシーンで挟む構成も効いてたな。寄ったショットが極端に多く、心理主義に依り過ぎている様な所が気になりながら観てたが、ラストの主人公の(冒頭と対比的な)晴れやかな表情の素晴らしさのおかげで不満はだいたい掻き消される。主人公を見つめる転校生役の不器用っぽい顔つきも良いし、顔の映画ってことでオッケーです!
小学4年生のソンはクラスでも地味な存在で、仲のいい友達もいない。
いじめっ子のボラたちにいいように使われたりしている。

終業式の日、ソンは転校生のジアと出会い、意気投合する。
夏休みの間、一緒に遊ぶソンとジア。

両親が離婚して、祖母と暮らすジアは、母親と仲良く話すソンを見て
から、ソンに対する態度が変わってくる。
ある日、ジアと出くわしたソンは、ジアが「塾の友達」と呼ぶ女の子を
見て、愕然とする。それはいじめっ子のボラだった。

新学期が始まって、ジアが転校生として生徒の前で紹介されるが、ジアは
ソンと目を合わせようとせず、ボラたちのグループに入っていった。

という話。

ソンの弟ユンの言葉がグッときた
「叩かれたら叩き返さないとダメ」というソンに、
「叩いてばかりいたら、いつ遊ぶの?ボクは遊びたいんだよ。」
Tom

Tomの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ちょっとトロくて空気読めなくて、いじめられっ子の主人公ソンと、転校生ジアの交流&クラス内いじめの物語。
なんとなく夏休みパートの途中から勘付いていたけど、ソンとジアが仲違いしてしまったのはあぁ...とがっかりしたし、子ども間のいじめエピソードの一つ一つが本当に苦しい。子供ゆえに容赦ない言葉を放ち、子供ゆえに大人には相談できない。周りの大人達は何も知らない。
いじめられっ子枠はソンとジアの間を行ったり来たりして決して終わることはない。次から次に標的が変わっていくのは怖いし、生き残るために互いに告げ口し合い、2人の関係はボロボロに。女の子ゆえの部分もあるかもしれないが、グループの離散集合はおっかない。
いじめは大人になってからもあるからなぁ...。
最後はソンの弟ユンの「ずっと殴ってたら遊べない」という言葉から、和解の道を進むことができたんだろうか。
ソンとジアが仲間に戻っていじめっ子と共闘していくことを予感させるラスト。

恵比寿ガーデンシネマにて鑑賞。素敵な映画館でした。
あゆみ

あゆみの感想・評価

5.0
新たな大作に出会ってしまった。

小中学生のころ世界はすごく狭くて、友達との些細なすれ違い、けんか、仲間外れが持つ意味はとてつもなく重いものだった。
窮屈な社会でたくさん傷つき、悩み、そしてその分だけ少しずつ大人になりながら、今日まで生き抜いてきた。
そのことを思い出させ、向き合わせてくれた。なんてもどかしくて、不器用で、愛に溢れた作品だろう。
いいとか悪いとかそんなこと遥かに超えて、ただただ大好きな作品がまたひとつ増えたという喜びで満たされている。


観賞後に読んだユン・ガウン監督のコメントにまた胸が詰まった。

「子供の頃、大好きだった友達に裏切られて辛い時期があった。
傷つき寂しさ、怒り、悲しみの後にまた仲良くできるように、何とかして真意を伝えようとしたが、お互いに傷つけるだけで終わってしまった。

歳を重ねてもあまり変わりはしなかった。
出会いの数ほど様々な関係が気まずく同じ失敗を繰り返した。
そしてほとんどの大人がそうするように、私も努力することをやめてしまった。
だが傷跡や痛みはひどくなった。

私はぶつかって転んで倒れ、傷ついても一歩ずつ踏み出そうとしていた、幼い頃の自分を否定する卑怯な大人になってしまっていた。
誰にも真意を伝えられない、優しくない大人に。

この映画は、無気力と自己放棄の陰に隠れる今の私のような大人、そして傷ついて心痛めながらも、勇気を振り絞って前に踏み出した過去の私のような子供たちへの、慰めと励ましの手紙。

わたしたちは多様で複雑な理由で愛する人を傷つけ、愛する人に傷つけられる。
それでも、わたしたちは本当の気持ちを伝えることを諦めてはならない。
前を向いて生きるために、わたしたちは何度も愛さねばならない。」
2017/09/30

恵比寿ガーデンシネマ

意地張って素直にならないって、本当に何もいいことないし、むしろもやもやして後悔することばっか。

あんな小さい子が、いちばん大人だったなー。
これは大傑作。児童劇の趣の映画に深い人間ドラマ潜む。
誰もが思い当たるこどもの日の友達同士の離合集散。
子供の話かと思っていたら「私たち」の話だった。
いい映画。

ソンのなんとも言えない表情。ジアとの絡み、ボラとのやりとり、その度々の表情がいろんな気持ちをあらわしていた。

逆に家族とのやりとりは幸せそうで、この表情もよかった。

観終わってからジワジワとくる。

人間関係って難しいよねー。