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「わたしたち」に投稿された感想・評価

こどもはうつむくだけで何も言わない。

自分を愛している親にもわからない複雑な世界。家に泊まりに来ていた仲の良い友だちが今では自分を傷つける。

ソンが楽しそうにしているときの笑顔が素敵だ。だがそれは長くは続かない。転校生のジアは裕福だが、両親が離婚し、友達に正直になれない。ボアは美人で成績も優秀。自分が一番でなければ平気で人をおとしいれ、仲間はずれにする。

弟ユンは人懐っこい。気になることを抱える姉には、時に足手まといだが、可愛い存在だ。無邪気にも本質に触れることを姉に言う。

ユン・ガウン監督は嫉妬、裏切りを不意打ちで食わらされる子供たちを描く。それでもソンはジアやボアから逃げたり、悪意を持って接したりしない。

ソンのようには到底なれそうもないなとも思う。ジアと付き合っちゃだめだよ。平気でうそをついて自分を陥れる相手だよ。ボアだってそうだよ。自分のことを臭いとかいっていじめる相手だよ。映画を観ながらソンにそう言いたかったが、ソンはしっかり自分というものを持った少女だった。

本作を観て、子供の頃に劣等感から見栄を張って嘘をついたことを思い出した。昔のことなのに落ち込みました。本作には子供のころの感情を呼び覚ます力がありますよね・・・

このレビューはネタバレを含みます

元コロコロ読者ではあるけれど、イジメの中心にいたクソガキどもがほぼノーダメージで終わってしまったので、やっぱドッジボールはクソだなと。

被害者意識の無い加害者というのはあまりいないらしいので加害者側が抱えた悲しみを見せてくれるのはいいのだけれども、だったらそれで罪がチャラになるなんてことは絶対にないのだという罰も見せて欲しいなとは思いつつ、でもそれを見せてしまうとイジメの現実とはかけ離れてしまうしという、まったく学校なんてただの地獄だぜ。
せいぜい、自分が被害者みたいな気分のときは弟ちゃんの教えを思い出して気を引き締めよう。
nuruko

nurukoの感想・評価

4.2
日常の繊細な描き方、構成やマニキュアなどの使い方、少女たちの表情、どれもとても良かった。ラストにじんわり胸が温かくなりました。
Mi

Miの感想・評価

3.5
ただただリアルに、丁寧に、ありふれていて残酷な子供達の日常が描かれてた。
そして弟だけが可愛かった。
さわら

さわらの感想・評価

4.0
内容はこちらがわを深く刻んでくるような重いものだが、鑑賞後はだいぶスッキリ感じるのは子どもたちの名演もさることながら、脚本の妙かなと思った。ドッジボール・マニキュア・ブレスレッド、どの伏線もしっかり回収してくれるのでストレスフリー。またソンを救うのが、“アイツ”の言葉というのが面白かった。
とはいえ滑らかな球体のようなこの映画は巨匠の晩年の作品のようで、デビュー作というのはあまりに物足りない気もする。

教育現場で働く者として、「小学生特有の〜」「女の子によくある〜」という他人事にはしたくない映画だ。明日の僕がその被害者かもしれぬし、加害者かもしれぬ(昨日の自分は大丈夫か)。大切な映画体験になることは間違いない。
あの子供だけの世界。
子供にしかわからない世界。
それなのに大人たちはズカズカ入り込んでくる。
でも子供の世界の出来事だ。
大人のわかる言葉にできるわけがない。
わかってほしいけど、知られたくない。
だから黙るしかない。
なんて言ったらいいかわからないし、なにも言いたくもない。でも言いたい。
あの懐かしい感じ。
よくここまで繊細に再現できたものだ。

それにしても女の子たちの表情がとんでもなくリアルだ。
オープニングとラストも秀逸!
この映画の素晴らしさは子どもたちの”伸びやかさ”である。というのも、物語はいじめや家族の問題と向き合わなくてはならない子どもたちの心の動きを追ったものであるが、デリケートな問題にありがちな”暗さ”を感じさせないからだ。問題点と向き合うために深刻に描き過ぎることはない。韓国映画の未来を予感する。
ekikawa

ekikawaの感想・評価

4.0
監督が再現したいものに対して、あまりにも過剰に期待以上に子供たちが応えすぎていた
別にお涙頂戴な映画じゃないのに、観ながらも観終わってからも涙が止まらなかった。

(私もかつて彼女たちのようだったといろんなことを思い出したり感じたりすっかり泣きのツボにハマってしまった)

映画はもちろん、パンフレットも丁寧に作られていて買ってよかった。

大事にしていきたい映画だなぁとしみじみ。
ミチ

ミチの感想・評価

4.8
小学4年生の少女たちの、夏休みから新学期までを描いた作品。


冒頭のドッジボールシーンが本当に秀悦。

特にドッジボールが始まってからの主人公ソンを追う絵が素晴らしい。

もうこれだけで、作品の背景が伝わり、一気に世界観に引き込まれる。


小学4年生というのも絶妙な年代だと思う。

素直で無邪気。だからこそ残酷。

前の日まで友達だったのに、突然友達じゃなくなるあの感覚を思い出す。

本当に小学4年生が作ったんじゃないかと思うほどの空気のリアルさ。


好きな監督として是枝裕和を挙げるだけあり、小道具の使い方や即興演出など共通する部分が伺える。

そこに女性ならではのやわらかさのようなものが加わり、題材の捉え方はシビアなのだが、常にやさしさのフィルタがかかっているかのようだった。

登場人物たちへの愛しさが、劇場を離れてからもどんどんと強くなっていくのは、このあたたかくやさしい視点によるものなのかもしれない。

メッセージを押し付けることのないこの作品の中で、ソンの弟が放つ一点の曇りもない言葉は、観る者すべての心に刺さるだろう。


おそらくこの作品は性別や年齢で捉え方が大きく変わると思う。

彼女たちくらいの子どもたちにはどう映るのだろうか。

実体験をもとにした作品ということで、これからユン・ガウン監督がどんな作品を作っていくのかに期待したい。