わたしたちの作品情報・感想・評価 - 32ページ目

「わたしたち」に投稿された感想・評価

y

yの感想・評価

4.1
子供の繊細な演技がすごかった。
静かだけど、凄く良い作品だった。
孤独な少女ソンと転校生のジア。
小四の夏休みの初めに出会った二人は直ぐに"親友"となるのだが、二学期が始まると少しづつすれ違うようになる。
あの子のことスキ、あの子はキライ。
同年代の男子には理解しがたい、女の子たちの独特の関係が繊細なタッチで描かれる。
思春期の入り口の年代は、親たちの社会が子どもたちにも投影され始める。
塾の月謝が払える家と払えない家の子、子どもにケータイを持たせる家とそうでない家の子には、スクルールカーストが生まれ、あの子の親は◯◯といった噂も、"穢れ"となり友だちを選別する。
自ら作ってしまった幾つもの溝に引き裂かれ、モヤモヤを抱えながら毎日を過す少女たちは、いかにして葛藤にケリをつけるのか。
お姉ちゃんに負の連鎖を悟らせる、弟くんの名言が光る。
「私の少女」のチョン・ジュリに続き、イ・チャンドンが素晴らしい才能を見出した。
ユン・ガウン監督は是枝裕和にも大きな影響を受けたそうだが、どこまでも丁寧に心情をすくい取る心理劇に、二人の"師匠"の特質はしっかり受け継がれている。
「우리들(わたしたち)」という示唆に富んだタイトルが、最後にスッと腑に落ちる。
これ、今同じような境遇に陥ってる子どもたちに、凄く勇気を与えるんじゃないかな。
お見事なデビュー作だ。
ブログ記事:
http://noraneko22.blog29.fc2.com/blog-entry-1055.html
なつ

なつの感想・評価

4.8
主人公ソンちゃんの、ゆらゆらゆれる瞳から感情の機微が伝わり、最後まで目が離せなかった。
女子特有の意地悪で残酷な“世界”。
やっぱり、10歳頃から本格的にこの世界の幕が開いた気がする。
誰もが通過した思春期の戸惑い、友情、裏切り、そして…浅ましい嫉妬。
そんな感情を覚えた頃を思いだし苦しくなった。
だって“嫉妬”なんて感情あるって知らなかったもん。
人としての基本は、
・相手が嫌がることはしない。
・自分がされて嫌なことはしない。
だと思うが…。
はからずも、大切な人を傷つけてしまったら、真っ直ぐな気持ちを伝えてみることだと思う。

そんなことを、主人公のちいさな弟君が、思い出させてくれたように思う。
全ての女性に捧げたい映画だ。
猫

猫の感想・評価

4.1
男子にはわからないかもしれない。
出だしのドッチボールシーン。
ジャンケンポン
で好きな?(欲しい?)人を選んでいく…
韓国でも、同じなのか?
今でもまだ、やっているのか?
のっけから胸に響く。
私は、例えば遠足のグループ分けで、いつも最後の数人に残る子どもだった。
少し、言い訳をさせてもらうと(笑)
他人の悪口をいうことで、結びついている、女の子のグループが嫌いで、何処にも所属していない子どもだったせいもあると思う。
イジメではない。でも子ども心に、
どうしてこういうグループ分けをさせるのか?
担任を恨んだ。

少なからずこういう体験を
見聞きした人ならば
この映画がスルリと胸に入ってくるはずだ。
いや、
仲のいい友達と些細な事で仲違いをした経験は、きっと誰にでもあるだろう。
だからこの映画はまさに
「わたしたち」の映画。

弟がいいんだよねー。最初から最後まで、素直で。あきれるほど単純で。
そして、その弟の一言で
わたしたちは、気づかされ
その一言を深く胸に刻まなければいけない。

虐めやハバにされた子達の映画は沢山造られているから
この監督には
次回
虐める側の子ども達の「こころ」を描いた映画を撮って欲しいと、心底思う。まだまだ
この子達に近いところにいる
力のある監督だから。
そして、そちら側にいる、と思っている子ども達は実は自分でもある、と気付くだろうから。

 2017.09.10 あいち国際女性映画祭にて鑑賞

このレビューはネタバレを含みます

 イ・チャンドンの映画かと思ったらそうじゃなかった。そりゃそれだけ寄ってロングテイクで撮ってればそういう風な見え方になるだろうね、という。爪の演出にしても仲良しインジケーターじゃないんだからさ。良識ある大人なら回避するであろう冒頭のドッヂボールのチーム決めの嫌な感じがずっと続く、がしかし決して新鮮ではない。the world of us というだけあって世界が狭い。それにしても主演の彼女のいわゆる「キョロ充」特有の、周りに異様なまでにお伺いを立てるような目の芝居に始終心をかき乱された。
 人間関係に何か求めだすと途端に不安に襲われる。この二人の友人関係はいずれ疎遠になるだろう。だがそれの何が悪いのだ。ベタベタとくっつくだけが心を通わせる方法ではない、だろ?
子供たちの精一杯生きている世界を、イキイキとリアルに見せてくれた特別な映画。観終わって胸がいっぱいになり、しばらく涙が止まらなかった。
ムチコ

ムチコの感想・評価

3.7
フィルメックス2016。

女子小学生あるある。
丁寧に作られてるとは思うけど、あざといなーという気持ちの方が強くてのれなかった。

この先一生ドッヂボールはやりたくない。
Vega

Vegaの感想・評価

4.3
誰もが記憶の蓋を開けて、登場するこどもたちに心を寄せて同じ気持ちになって観てしまうのではないかな。

透明感のある画面に静かな韓国語の響き、ヒリヒリと胸が痛む場面はあれど底に流れる優しさを感じられる作品だった。

こどもたちの表情がとても自然で、だからこそ多くを語りかけてきて、泣けてきちゃった。


弟くんグッジョブ。
ソンのお母さん素敵でした。

日本配給が決定しているようで嬉しいです。
smmt705

smmt705の感想・評価

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誰だって大人は子供だった頃があるし子供もいつかは大人になるのに、別次元になるこの不思議。監督の話で、子供の問題は子供で解決するべきことでもあるという言葉が印象的だし勇気のある言葉だと思った。

このレビューはネタバレを含みます

子どもたちの世界は平和で純粋で、キラキラしたことばかりではない。子どもだからこその残酷さ、痛み、やっかみ、不安が沢山ある。
思い返すのが痛くて、胸の奥深くにしまいこんで、もう2度と開きたくないような、そんな子どもの頃の記憶と向かい合わせてくれる。

主人公のソンちゃんを襲う友達が離れていく恐さ、ジアちゃんの誰かを傷付けることでしか自分を守れない幼さ、ボラちゃんの他人と違うことを受け入れられず、疎ましさを覚えてしまうところ…どれも身に覚えがある感覚ばかり。

友情の印(夏休みにホウセンカの汁で赤く染めた爪)、お母さんの愛情(美味しそうなキムパ)、仲直りのヒント(弟のユンくんのアザ)、どれも痛々しい思いと同じくらい愛おしい思い出が詰まってる。

大袈裟でドラマチックな展開はなく、静かに淡々とリアルな子どもの世界(The world of us)を描いていて、だけど問題提起だけでなく、導くべき方向をきちんと示しているところが、この懐かしくて痛々しい気持ちを鎮めてくれる。

暴力的な友達に叩かれ、いつも顔や身体に沢山のアザを作り、絆創膏を貼られているユンくん。
『その子と遊ぶのやめれば? やられたら、やり返しなさいよ』と、お姉ちゃんに言われてもユンくんは言う、『だって、僕は遊びたいんだもん。叩かれて、叩いて、叩かれて、また叩いてたら、いつ遊ぶの?』
このピュア過ぎる言葉に涙が止まらなかった。