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「わたしたち」に投稿された感想・評価

うっ、なんだこのチクリと刺さる感覚は…

それは冒頭の取り取りジャンケンから始まっています。クラスのドッヂボールのチーム分けで、ジャンケンで勝った方から順番に欲しい人を指名していく中、あの最後まで名前を呼ばれず余り者扱いされてしまう感覚って、見ているこっちが辛い気持ちになってしまいます。

その描写だけでこの作品の質感が伝わってくるようでした。最初はまた韓流映画特有の底意地の悪い作品と思って観ていたのですが、話が進むに連れ、これは僕の小学生時代そのものだと気づき始めました。

子供って残酷ですよね。孤独が嫌だからグループを作り、「自分とは合わない」からと言って、変に目立つ子を孤独に追いやります。イジメは大した理由もなく行われ、簡単に人を傷つけ遠ざけます。しかしイジメられている子供は、この地獄の苦しみに理由も分からないまま耐え続けなければなりません。

こんな悪意に満ちたクラスでも、小学4年生のソンにとっては世界そのもの。その世界で独り孤独にさせられて、その孤独の淵でジアを見つけて、友達になって、そしてまた孤独になって…

そんなソンの繊細に心が揺れ動く姿を見ていると、まるで自分の子供の頃を見ているようで、胸のあたりがチクチクと痛くなってくるんです。

物語としては、静かな抑揚の中に些細な出来事が散りばめられている感じです。どちらかと言うと地味なお話です。

それ故にこの作品は素晴らしい。変に話を盛り上げようとか、変に感動させようとする邪な施しをせずに決して飾らず、正しいものを正しく淡々と語り尽くす演出は、ソンの感情全てを余すことなく伝えてくれます。

今作品のユン・ガウン監督といい、「はちどり」のキム・ボラ監督といい、最近の韓国の女性監督の活躍は素晴らしい。僕は今まで韓国作品のどこかゲスい感じが滲み出ているところが苦手だったんですが、この二人の女性監督が作れる作品からは繊細さや優しさが溢れ落ちてくるようで、僕の感性にピッタリ馴染んでくれます。 

普通、こういった内容の作品だと極端に親が無関心だったり、無責任な形で描かれたりして、作品のリアリティが損われたりもしますが、今作はちゃんと大人は大人でしっかり子供を見ていましたし、しっかり子供を愛していたので、ソンのリアルな家庭環境と心の変化が垣間見れ、一層この物語のコンセプトが浮き彫りになっていたように思われます。

そのお母さん役を演じられたのがチャン・へジンさん。「パラサイト」でのちょっと怖目なお母さん役とは違い、今作ではとても優しいお母さんを演じてらっしゃいました。その演技が本当に上手で、この作品がバランス良くまとまっているのもこの母親の存在があってこそだと思います。

そう考えれば、この映画は女性の力で作り上げた作品と言えます。監督の演出といい、ソンやジアといい、ヘンジさんの母親役といい、女性の才能で彩られたとても素敵な作品でした。

最後の爪先に残るホウセンカのマニキュアと少女の心と重ねる場面なんて、絶対男の感性では生まれてこないと思います。

ソンを演じたチェ・スインちゃんといい、この作品は女性の繊細さや感性が溢れている素晴らしい作品でした。
その辺の韓国バイオレンス映画より観るのがしんどかった。最後の表情には脱帽。
始めから終わりまで、ずっと胸痛い。

痛過ぎて全然泣けん。

ラストショットは、、、完璧素晴らし過ぎ。

早くも2021年ベストかも。
とみ

とみの感想・評価

3.9
絞りがちなクローズアップで背景ぼかして、表情を見せる
感情がすぐ行動に移される、あの時期特有の残酷さ
『はちどり』のキム・ボラが影響を受けたというのもわかりやすい、ある一定期の少女の話
しかし、『はちどり』に比べて年齢設定は低いので話はもっとシンプルなものとなっている
"わたしたち"を構成させるのは周りの友達だけ、それが全てで、それが"世界"なんだ

開始10分で辛すぎ
光が刺すも……結局地獄
同じような経験あるんで、辛すぎて死んじゃった

救われるか地獄のままかは自分次第
沈黙と行動
kohei

koheiの感想・評価

4.7
親からの愛を受けなかった少女と、友だちからの愛を受けなかった少女の邂逅。それは限りなく奇跡に近い輝きに満ちた出会いだったけど、ひとつにはやはり階層の差が、惨たらしくも彼女たちを離れ離れにさせてしまう。耳に当てられた拒絶のヘッドホンは首に巻かれることで円をなし、やがて連帯のブレスレットを形成する。傷を与え合うドッヂボールではなく、愛を与え合う対話がしたい。それにはあとひとつだけの、自分からの愛と勇気が必要だ。
ガツ

ガツの感想・評価

3.7
主人公の弟がラストで語った言葉が印象的。
自分を怪我させた友達となぜ遊ぶのか。

人は相手が気に入らないと、すぐに次の人、次の人、と相手を変えがち。
でも、その人のマイナス点を受け入れて、互いに楽しい時間を過ごすというのが大事なんだと思った。お互い様で。

人だけでなく、技術というか、方法論も。学んだやり方が1回上手く行かなかったからといって、別のやり方を探すのではなく、一つのやり方、技術を極めることが、成功に繋がるのだと再認識した。
ゴリラ

ゴリラの感想・評価

4.0
書きたいことムチャクチャ色々あるのに、全然うまくまとまんないヤツだわ(笑)

とりあえず冒頭数分の長めのワンカット…

僅かな期待が不安に、そして落胆に…
微細な表情の変化なのに、ハッキリ伝わってくる少女の感情とクラスでの立ち位置

韓国の子役演技力、エグっ!
いやいや、上手すぎだろ…
少女たちもそうだけど、
弟くんとかどういうこと??


イ・チャンドン監督に見出だされたとう新人女流監督ユン・ガウン
分かる~~!
明確なテーマに対して真摯に向き合う感じがいかにもイ・チャンドンっぽいわぁ~
そして、繊細な表現と独特な切り口も女性ならではだと感じた

女子あるあるではあるのだろうけど、男の俺でも確かに感じたことのあるこの感じ…
記憶の奥にある小学校時代の感覚を針で刺すようにチクチクとエグっくる

未成熟故に自分が受ける抑圧や苦しさをうまく処理出来ずに他人を傷付けてしまうんだろうなぁ
弟くんが言うように男は拳で処理してある程度解決できるんだろうけど、女子同士だと言葉や状況による暴力だったりしてより遺恨が残り易い…
しかも受けた苦しさを同じ位傷付ける暴力性を備わっていて本能的にやってしまっているようにも感じる


大人の視点、子供の視点、大人の事情、子供の事情、マニキュア、色鉛筆、手作りの腕輪、キュウリ海苔巻き…


ラストの二人の視線…
根本的に何かを解決できたわけではいし、この先どうなるかはわからないが、僅かな予感だけを残すラストショットが素晴らしい

もう少し時間が経って再鑑賞した時にはちゃんと言語化できるのかな…
サトコ

サトコの感想・評価

2.9
変なプライドや意地は捨てるべき。後悔先に立たず。
な、一本〜。
わかっちゃいるけど捨てられない、捨てきれないのが意地やプライド〜(笑)

羨ましさからの当て付け、わからなくないな〜
幼い弟の素直な言葉にハッとさせられました〜
r

rの感想・評価

4.0
小学生版女の戦い

これもう本当に共感でしかない。小学生女子ってほとんどこんな感じの人間関係あるよね絶対。常に誰か標的にしてないと済まない人がいるのはどの年齢でも同じなのね。みんながソンみたいな子だったらいいのに
あと先生が根本的なところに気づいてないのもリアル。お母さんもなかなか鈍感すぎる。最後のキンパ作りながらの弟との会話印象的だった
途中しんどくて泣きそうになったな、この年齢だと何でハブられてるのか分からない時あるから余計迷走するよねわかる
krdb

krdbの感想・評価

4.3
イ・チャンドンがプロデュース&某映画ブロガーが100点をつけていたので、公開当時からずーっと気になっていたけどなかなか見る術が見つからなかった作品。んで今日雑誌を読んでいると今年のナンバーワン作品「はちどり」のキム・ボラのインタビューでもこの作品を挙げていたので、数年ぶりにTSUTAYAを訪れついに準新作の本作のDVDを発見、歓喜してレンタル。
とはいえ内容を全く把握してなかったので、開始早々のドッヂボールのチーム分けのシーンから若干の後悔…これは絶対メンタルくるやつ…。その後の誕生会のシーンの残酷さに、ある程度流れは見えてくるので、幸せな夏休みのシーンも「あ〜この後イヤ〜な展開が絶対来るやろな…」と思ったら案の定。誕生日プレゼントを渡しに行くシーンとか遠足のシーンとか、もうやめてくれと叫びたくなる哀しいシーンの応酬。小学4年生なんて学校が、クラスが、小さなグループが世界の全て。抜け出したくても抜け出せない、どうすればいいかわからない。至る所で起こる何気ない嫉妬の積み重ねで人間関係が崩壊してどうしようもない状況に陥っていく。そんな中でもいじめっ子のボラ(可愛いけど性格クソ)にハンカチを差し出すソン、どんだけ健気でいい子なのよ…。おじさん泣いたよ…。
そしてまさかのキーパーソン、弟のユンの一言でラストは一筋の光が…。
演者の子たちも自然体の演技が本当によくて、ホウセンカのマニュキアなどの何気ない演出も見事、プロットは至ってシンプルな静かな作品だけど、もの凄く心にグサグサ突き刺さって感情を揺さぶられる素晴らしい作品だった。