さむ

THE NET 網に囚われた男のさむのレビュー・感想・評価

THE NET 網に囚われた男(2016年製作の映画)
4.0
東京フィルメックスにて。(28.11.19)

北朝鮮に暮らす、イコール、不幸。
これまでそう信じてきた。
私自身、実際に行ったことはなく、北朝鮮に暮らす人々との交流もないのだが。

だが、北に住む人自身は、ひょっとしたら、不幸と思っていないのかもしれない。愛国心には個人差があるだろうが、目の前にある暮らしや家族が一番なのだろう。
北の人を一人でも救うために、亡命させてあげようなどというのは、もしかしたら、本当にお節介なことなのかもしれない。

日本の都市部とほとんど変わりのない暮らしぶりの南に対し、北の暮らしは絶望的なほどだ。


網に囚われる、ことの意味。
想像上でしか考えていなかった「網」の意味。
鑑賞後、初めて実感し、腑に落ちた。

もがけばもがくほど、網は食い込んでくる。
魚は常に目を開け続けている生き物だ。
網に囚われても目を瞑ることは許されない。
さむ

さむ