山<モンテ>の作品情報・感想・評価

上映館(5館)

「山<モンテ>」に投稿された感想・評価

4

4の感想・評価

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山と戦う人。
山に挑み、山を砕く。とにかくそれに尽きる。台詞の量が極端に少なく、動きと表情による演技がほとんどだったことで、特定の誰かというよりも人間という存在そのものが現れ、観ている人がそれぞれの山を砕く感覚に近づいていく。そんな人間に対して、重くのしかかってくる「山」は、その巨大な見た目だけでなく音としても常に威圧してくる。小さな人間が山に挑む姿は無駄なことを延々と続けてるようにしか見えない。しかし、そうした小さなことの積み重ねが突として思いもよらぬ美しいラストを生み出す。彼らが鮮やかに色づく映像は本当に綺麗だった。
絵本の『半日村』を思い出した。
上映後のアミール・ナデリ監督と塚本晋也監督のトークショーも良かった。ナデリ監督は元気で面白いおじさんだった。海外と日本の映画の資金面での違いの話が印象的。自由に撮れるからこういう映画が出来上がるんだな。
ペプシ

ペプシの感想・評価

2.5
設定だけ見るとメチャクチャ面白い

だけどかなり退屈
小学校の頃道徳の授業で、以前は働き者だった農民が何かをきっかけにヤル気をなくしてしまい全く仕事をしなくなってしまった話がでてきた事を思い出した。
昔の農民は基本的には、それまで占有していた土地を使って農作業を行う事以外に、急に何かをやれと言われても困るものなのだろう。
この作品の主人公が山と闘う事の基となる精神はそういった部分にある。
僕は農業従事者ではないが、これまで24、5年位働いてきてるけど、明日急に働く気が失せるかも知れない。
RyotaI

RyotaIの感想・評価

3.8
アゴスティーノと妻のニーナ、息子のジョヴァンニは南アルプスの土地が山の麓に暮らしている。その山は太陽を隠してしまっているため、緑はなく、土地は痩せこけてしまっている。周囲の村の人々からは、異端者として疎まれ、三人はより追い込まれて行く。アゴスティーニは山に対する憎しみから、ハンマーでその山を崩そうとする。

神による救いを求め、奇跡を信じているものの、周囲や自然から降りかかる理不尽な仕打ちに、神を信じることをやめ、山に向かってハンマーを振るう。終始流れる動物の鳴き声や山に木霊する音、山の呻き声ともとれる音が、荘厳で不穏な雰囲気を創り出し、絶えず映画を盛り上げていく。

ただ、後半のハンマー振るい続ける部分は冗長に感じてしまった。
絶望感は分かるのだけど、なぜかと思ってしまう描写も多くてイマイチ入り込めず。今が工夫をすればどうにか生きていける時代だからだろうか。
岩をぶっ叩き始めるところからは良かった。全部ぶっ壊せ(厳しいだろうが)と思っていたら想像以上に崩落して、これでもかと輝く太陽が姿を見せた。
映像美。
設定は面白いんだけどな…。
きど

きどの感想・評価

3.4
祈りと沈黙。岩山の砕く音、色彩の喪失。
立ち向かうというよりもこれは、どうしようもないどうにもできない苦しさ、をただひたすらに、見事に感じさせられる。
奇抜で面白いのだが、どうもこういった血反吐を吐いて頑張る先に尊い希望が…というようなものが苦手で苦手で…

しかし音は群を抜いてヤバかった。父と息子の岩を叩く音がリズムを刻みはじめる感じ。
灰色が支配する岩山に、世界の不条理をぶつける男。
山の呪縛から逃れるように、大いなる自然に剥き出しの感情をぶつける。

台詞が少なく、殆ど岩山の村が舞台なので眠気が手強いが、流石のナデリ監督、キレッキレの画力で映画を引っ張っている。

ナデリ監督の本気を見た。
土、砂、山の唸り声。
絶望を乗り越えた先のカタルシス。
Hope.(ナデリ監督の言葉)

映像と音響の重厚さに圧倒された。
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