ヒロ

苦い銭のヒロのレビュー・感想・評価

苦い銭(2016年製作の映画)
3.8
長期休暇明けに会うと必ず顔面がグレードアップしている子、仕送りの余りで猫飼い出す子、新宿にマンション持ってる子、と僕の周りにいる中国人(留学生)は所謂富裕層と呼ばれる部類。そんなリッチマンたちは上澄みの数パーセントで、残りはメイドインチャイナの御名の下生贄に捧げられた貧困層。今作はそんな彼らの生活にフォーカスが当てられている。もちろん笑える場面も多々あるのだが、結局印象に残るのは未来も希望もない生まれたことを後悔するような代替可能機械的肉体労働。時給16元=270円、その僅かな人件費を得るために朝7時から日付が変わるまで、風呂も無いしダニだらけの汚ねぇ寝床。彼らが此処から抜け出す手段は無い、これを繰り返していつしか人知れず死んでいくのだろう。彼らが苦い銭を得るために生み出した甘い蜜を吸っているのは誰か?劇場が明転したときにすぐさま着ていた服のタグを見た、メイドインチャイナだった、僕も加害者だった。
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