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サファリのncccoのレビュー・感想・評価

サファリ(2016年製作の映画)
3.0
アフリカで合法化してるトレジャーハンティングの是非を問う作品。
ドキュメンタリーなんだけど、画の切り取りかた、写しかたがアートっぽくてザイドル監督の味がしっかり出ている。

娯楽として動物を仕留め、獲物の前で記念写真を撮り喜ぶ金持ちのハンターたち。時に楽しそうにその皮を剥ぎ解体していく黒人たち。
頭を狙わないからか動物たちは即死できず、断末魔に悶え苦しみのなか死んでいく。

人道的にはやらない方がいいに決まっているけれど、一方ではハンティングによってアフリカに落ちる莫大な金が貧困の一部を解消しており、国にとって欠かせない産業になっているという事実。
感情的に「こんなことやっちゃダメだ」というのは簡単だけれど、ただ言うだけなのは偽善でしかない。膨大なエネルギーの恩恵に預かりながら、代替案を出さずに脱原発と叫ぶのと同じ。

整合性の取れない綺麗事をまくしたてるハンティング場オーナーが映画の最後にしみじみと呟くセリフに激しく共感。
「人間はピラミッドの頂点に立つべきではなかった」
つまり、そういうこと。
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