ななな

痛ましき謎への子守唄のなななのレビュー・感想・評価

痛ましき謎への子守唄(2016年製作の映画)
-
赦しの話。

フィリピンの革命のお話。
ホセ・リサール(知っているかもだけど、彼は実在した人物で、小説家で革命家)が処刑された後を描いた物語。
リサールは実在した人物だし、歴史的事実も入りはするんだけど、リサール作品に出てくる人物やフィリピンの神話も混在して話が展開していく。

ストーリー的にはただただ30日間、旦那の死体を探して山を彷徨うお話(笑)

一時間の休憩が挟まったんだけど、その時にカップルが「これ絶対四時間にはできたよね??!」と言うくらいには話が進まない(笑)
私もはじめ40分くらい寝た(にも関わらず話にはついていけるという素晴らしさ笑)。

後半は同時進行でシモンっていう男の話も詳しく出てくる。
彼は(多分、占領していたスペイン側につくだとか取り敢えず)フィリピン側では無いことをしつつ民衆蜂起に思いを託して武器を流し込む。革命は失敗、仲間割れで終わる。
シモンに怒る青年とシモンを青年の叔父のところまで運ぶ道中の話が後半にかけて多くなっていく。

ラヴ・ディアスの映画はおろか、フィリピンの映画もみたことが無かったからはじめ入り込めなかった。
映像美!スモークがんがん焚いて後ろから逆光当てて、みたいなやりたい放題感も面白い。
トークイベントを聞く限り監督がファンキーな人らしいからぽい映画なんだなあと思う。
__________________________________
↑他人に送りつけたレビュー。

これにコメント付きでレビューする人はフィルマークスで初だそうです。なにかに勝った気分。ありがとう。

だがしかし何を書いてやればいいかわからない。

まず言えることは強烈な映画体験をしたぞということ。

何と言っても、この凄まじい長さが体を蝕んでくる(笑)
映画をみる皆さんなら想像つくかもしれませんが8時間ぶっ通しの映画はマジヤバイっす(半分のところで一時間の休憩有り)(監督は本当は入れたくないらしい)。

その上内容も、眠気を誘うために作ってるだろ、とつい言いたくなる。
特に前半、叙事詩的な展開が苦手な私は40分ほど寝ました。それでも話の展開が頗る遅いのでストーリーについていけないということは全く無い素晴らしさ(笑)

ただアメリカ総督が英語で話すシーンでパッと目がさめた。一緒に行った方もそのシーンからが痺れた、印象的だったと言っていたので大事なところは見逃していなかったと理解する事にしている。

内容、フィリピン革命の話。
_______________
↑みて一番最初に書いたレビュー


セザリオ青年の
「なぜ」こんなに人が苦しまなければならないのか、
「なぜ」強姦される女性がいるのか、
「なぜ」教育を受けられない子供達がいるのか、というその問いかけが刺さる。

刺さるだけに神父の答えが私はもやもやする。

「答えはもうお前の中にある。鏡の中の自分を見てみろ。息は魂の声だ。若いお前ならわかるはずだ。」

若いって何だよ。じじいが答え知ってるなら教えろよ。
と、じじいだからわかっているというわけではないのは理解しているが言いたくなる。
モヤモヤ。

シモンに対する赦しと、女(何だっけ)に対する赦し、どちらも感動的。

星はつけられない。
ななな

ななな