ネズミツオ

魔鬼雨のネズミツオのレビュー・感想・評価

魔鬼雨(1975年製作の映画)
3.8
田舎でこじんまりと営業を続ける邪教集団と村人が仲間に入れ!いやそれは困ると押し問答している内に酸性雨より怖い魔鬼雨が降り注ぎ赤頭巾や黒頭巾がホットケーキミックスの素を塗りたくったようにドロッドロに溶けてしまう特撮が最大の見所。

溶け屋さんの代表格『溶解人間』より遥かに勢いよく畳みかけるラストの豪快さは一見の価値があると思います。教祖を演じるのは隙っ歯でチャーミングな人の良さそうな叔父様が良く似合うアーネスト・ボーグナイン。ヤギのような角を生やした費用掛かり過ぎな特殊メイクを施されてもベースが濃すぎるから全くホーグナインばればれなんですね(笑)

「スタートレック」のカーク船長で有名なウィリアム・シャトナーは魔術によって盲目にされちゃうんだけど、目に焼き海苔貼り付けた風の簡素なメイクなのに、嫌に薄気味悪くて信者が大挙しワラワラ迫って来るのは悪夢に出てくるようなおどろおどろしさ。物語自体は淡泊だけど、クライマックスと人間が蝋人形のように溶けて無くなる特撮は今見ても新鮮に映りますね。

それと出演陣がゴージャスすぎるんです。「ローマの休日」のエディ・アルバート、「エイリアン」のトム・スケリット、そして本作で劇場映画デビューを飾った若き日のジョン・トラボルタまで拝めてしまう!70年代中期のオカルトブームにのっかって製作された中でも異色のアイデアで見せる(映像だけw)知る人ぞ知る溶解ムービーの代表作。

【2017年3月7日(火)】鑑賞。
※初見は1990年にTVの深夜枠で(吹替)
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