マルメラ

ザ・マジックアワーのマルメラのレビュー・感想・評価

ザ・マジックアワー(2008年製作の映画)
2.9

皆様の評価が高いので、今回は期待できるぞ!と思い鑑賞。

しかし、案の定。三谷作品の欠点が露出しまくり。

さて、気に食わなかったところを書き連ねようと思いますが。
まずは、良かったところを。

まずは佐藤浩一と深津絵里。
佐藤浩一は画面に出てくるだけで何か面白いものが見れそうな雰囲気がプンプン。
深津絵里は割とデコルテ出してエロい雰囲気醸し出してるけど、どこかエロくない。
エロくないんだけど、エロそうにしている、そこがエロいww

あとは、何と言ってもセットですかね。
ここまでのものをよく作ったなと、種田陽平さんが手がけてるだけあって、どこかレトロで海外チックで、でもどこか昭和的で、素晴らしいですね。
さすが種田陽平。

成りすましコメディーとして、やりたいことは分かるし。多少ご都合主義が目立ちますけど、そこはご愛嬌として。
笑える場所も数か所ありました。

以上。

さて、行きますか!
この作品が好きだという方は見ない方が良いかと。正論すぎて心折れますよww

①謎すぎる車
冒頭のシーンで車から5人の男が降りてきて、ホテルに入っていくシーン。
そのあと、ギャングwwのオフィスに連れて行かれるんですけど。
ここで、まずおかしい点が。
ギャングのオフィスとホテルは目と鼻の先。
むしろ徒歩10秒。
なぜ車?是非聞きたい、なぜ車?
【だったら、西田敏行が自ら深津絵里の部屋に来て、裸の妻夫木聡と鉢合わせるにしても良かったのに。なんか、張り手方の冒頭にしてやろうとして支離滅裂なことになってます】

②ギャング!!(ヤクザですww)
いや、分かるんですよ。
ビリー・ワイルダー的な成りすましコメディーがやりたかったんですよね。
凄い分かりますよ。
なにせ、ビリー・ワイルダーは私も大好きな脚本家であり、監督ですから。
だから、「お熱いのがお好き」みたいにギャングを出したかったんですよね。
分かりますよ。
異国情緒な街並みから、「あっ、なるほどな。これは日本にある街というより、どこかとある国のとある街の話なんだな」と理解するじゃないですか。
そして、レトロな雰囲気から「はいはい。少し昔の時代設定ね。車もレトロだし。そうしたらネットもないし、成りすましがうまく行くからね」と思うじゃないですか。
でも、蓋を開けたらがっつり日本。
普通に携帯使ってるし。
もう、携帯使った段階で興醒め。
だったら、ヤクザでいいじゃん!
なんでギャング?ビリー・ワイルダーやりたすぎて謎の設定にしてしまった感じ。

③スナイパー?殺し屋?
伝説のスナイパー、デラ冨樫。
ん?殺し屋?
殺し屋とスナイパーは行動が本質的に違いますからね。
スナイパーは遠くから狙撃するんです。
殺し屋にはそういう制約はないんです。
だから、最初から殺し屋にしておけば良かったのに。
西田敏行が狙撃されたという設定にしたもんだから、スナイパーにしたんでしょう。
しかし、スナイパーらしいことは一切せず。頼まれることも殺し屋にやらせること。
病院にいる会計士を殺してこいってww
いや、百歩譲って「あいつは何階のここの窓際の部屋にいる」とか言ってライフルを渡すなら分かりますよ。
佐藤浩一は佐藤浩一で、ライフル持ってランボーみたいに突撃してやんの。
いや、お前ら全員アホかよ。

④映画みたい。ププッww
綾瀬はるかや西田敏行が親の仇のように「映画みたい、映画のようだ」って言うんですけど。
何が言いたいの?
ある程度のトンデモ設定は目を瞑れよ。ここは映画みたいな街なんだからってこと?
だとするならば、ダサすぎる。
そうじゃなくてもダサい。
メタ構造かと思うわ。
「ラストアクションヒーロー」とかそういう感じ?と期待してしまった自分が恥ずかしいわ!!!

⑤マジックアワーが無い
二、三回説明しますよね。
マジックアワーと言うのは、みたいな。
ラスト直前にもやりますよね。
だったら、ラストはマジックアワーだろ!!!
なんのための説明だったんだよ!!!
アホかよ。

⑥不愉快
深津絵里、妻夫木聡、綾瀬はるかの行動が独善的すぎて、不愉快極まりない。
自分達が助かるために無実のそして無垢な夢に向かって一直線な男を殺しかけてるんですよ。
真実がバレてもまだ手伝えって、なんだそら。
そこは、土下座レベルの謝罪しといてから、佐藤浩一自信が「あいつらもスタッフだから助けてやらなきゃ」ってならないと。

⑦キャラクターが雑
最後だけ西田敏行のキャラクターが変貌。
え?何これ?となってしまう。
だったら、ユーモアあるんだけど怒らせると怖い役で良かったじゃん。
それなら、佐藤浩一のユーモアさに惹かれて雇うのも自然だし。

⑧香川照之の意味って?
中華屋で香川照之と本物のデラ冨樫が飯を食ってるシーンありましたよね。
その後、バーで香川照之と佐藤浩一が出くわしますよね。
ってことは、香川照之がその秘密を利用して何かしてくるべきでしょ。
例えば、偽デラ冨樫とうちのヒットマンでタイマン貼ろうとか。
何かそこを笑いにしてくるのかなと思ったら、ただ佐藤浩一の顔芸がしたいだけ。

ということで、ずらずらと並べ立てましたが。
基本的にやりたいことは「成りすましコメディー」。それはやろうとしてるのは分かるし、ある程度はやれている気がしなくもない。
ただ、妻夫木聡や綾瀬はるかなど、真実を知っている人たちの人間的な問題があるのも事実。
巨匠ビリー・ワイルダーに比べられるレベルではない。
宇多丸師匠の言葉を借りるなら「well made気」に過ぎない作品でした。
ただやっぱり種田陽平は素晴らしい。