マクガフィン

スリープレス・ナイトのマクガフィンのレビュー・感想・評価

スリープレス・ナイト(2017年製作の映画)
3.2
マフィアからコカインを強奪した悪徳警官が息子を誘拐され、裏社会相手に孤軍奮闘する様を描くクライムアクションサスペンス映画。

ギャングだけでなく警察内偵調査官や汚職警官からも追われる四面楚歌の設定は殆どがカジノホテル内での出来事で、二転三転するストーリー展開は一夜の奮闘劇に。

ジェイミー・フォックスの苛々する表情や垂れ流れる嫌な汗と腹の傷が悲壮感と不穏な空気を醸し出し、秒針音のような音響と共に心拍数を上げ続ける。
また、ジェイミー・フォックスやギャングも各々の事情で命が危なく、尚且つ互いに時間制限がある切羽詰まった状況同志の攻防は、時限爆弾を抱えているかのようで、それらの限定的な時間と場所の設定に追い詰められて焦燥感に駆られ、多くの登場人物の任務や立場が複雑に絡み合う胸アツ展開に。

機転を利かせて駆け引きや時間稼ぎを繰り広げる模様は、ドキドキハラハラのてんこ盛りで、映画ならではの音響と演出で飽きずに鑑賞。
タフな熱演をするが、息子を誘拐されて、あたふたする模様に人間味溢れる一面を持ち、家族の絆や愛を挟んだりして、どことなく心が温かくなるようにも。

95分にタイトに纏めて見事。ヒットすれば次回作が見込める終わり方だが、興行成績と今作のミスリード的な設定が次作は使えないことから、如何なものだろうか。