山中潤一official

blank13の山中潤一officialのレビュー・感想・評価

blank13(2017年製作の映画)
4.2
たぶん、たまにまた見ちゃうと思う。

映画人である斎藤工が撮りたいと思った物語は、やっぱり人の物語で、映画じゃないと語れないという信念がそこにあった。

恐らく人付き合いが異常に多い職種が故に、お葬式に出ることも少なくないと思う。

コントみたいになるような瞬間も必ずといっていいほどあって、
冒頭で同じ苗字の人が亡くなった隣の寺とのことも言及されるが、
どちらがいいも悪いもなく、
事実を映し出してるように思えた。

13年って長いよなぁ。
俺が上京してそろそろまるっと13年か。
長いよなぁ。

斎藤工の人脈でしかないだろうと思うようなキャスト陣だけれど、
みんな芝居うまくって。
佐藤二朗はちょっとやり過ぎかもって思ったけれど、おるよなあんな人。おるよ。うん。

13年の知らなかったことが、
たった数分数時間の葬儀でのお話で、
埋まるわけも無いし、許せる訳でもない。

ただ、あの時間があったから
子として救われるものがあるんだと思う。

これから産まれてくる自身の子に対しての父としてどうすればいいわからない葛藤を簡単に払拭してくれたりする。

僕は
ミュージシャンをやっていて
売れないけれど、人気が必要だったりするけれど、死んだ時に人数がどうとか豪華だとかそういうんじゃなくて、
こんな風に僕の死をきっかけに
僕の話をしながら、
誰かが救われたり
報われたりしてくれたらうれしいな。

こんな葬儀ってきっとその人の心のブランクをなんとなく埋めてくれそうだなって思う。



…こうして書いていて思ったんだけれど、
このフィルマークスってさ、
今まではごく最近とかせいぜい5年程度以内で
この作品を見た人がなんとなく
この投稿が目について見てくれて
繋がれたらみたいなサービスだと
思ってたけれど、
そういう側面もあるけれど、

…違うな。これ。
例えば僕が死んで、
僕の家族や知り合いがこの映画でも
別の映画でもを見たときに
僕は何を思っていたのだろうってことを
映画ごとに遺せる。

作品として残り続ける映画というコンテンツの感想もその映画と同じだけ残る。

やっぱり、このSNSは普通じゃないな。