井中カエルand物語るカメ

blank13の井中カエルand物語るカメのレビュー・感想・評価

blank13(2017年製作の映画)
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芸能人が映画監督を務めると聞くと、やはりどこか不安に感じてしまうのは誰でも共通することなのではないだろうか?
成功したのも北野武以外では特に思いつかず、悪くない作品を撮った芸能人や有名人も次の作品がなかなか続かない現状がある。

シネフィルとしても有名な斎藤工が監督を務めた本作は『映画』としてかなり完成度の高い作品となっており、物語自体も静かではあるものの、とても見ごたえがある上に小物の使い方や演出もまた見事。
特に喪服の黒と光の白のコントラストなど、絵として美しく輝いている描写も非常に多い。
タイトルの入れ方、物語の変調のさせ方、全体的なメッセージ性、そのどれもがレベルが高い作品となっている。
ぜひとも次回作を期待したいし、もっと大規模で公開してもいいのではないか? と強く思う作品である。